反省しない人たち。
『「刷新」するべきは何か』と題された今日の朝日の社説によれば、「不起訴は嫌疑不十分だったからに過ぎず、潔白の証明ではない。説明責任を逃れる免罪符にはならない」のだとか。おいおい、それでは一度嫌疑を受けたものは、仮に不起訴となっても自らの潔白を自らの手で証明しなくてはいけないということか。こうしたへ理屈は朝日に限らず、ほとんどのメディアに共通しているようだが、これって恐ろしいことだと思う。
たとえば、殺人事件のケースで考えてみよう。疑いをかけられた人物がいたとして、嫌疑不十分で不起訴になったとしたら、メディアはその個人に対して説明責任を求めるのだろうか。そして、嫌疑不十分だから潔白ではない、と言い切るのだろうか。「政治家と金」の問題はそれとは別だ、というかもしれない。しかし、法とは万人に対して公平でなくてはならない。政治家といえども保護されるべき権利はある。
ここまで執拗にその犯罪性を問うのなら、いっそのこと小沢君はメディアを相手に名誉毀損で訴えたらどうだろう。この執拗なメディアの姿勢は、小沢君一人の問題として片付けてはいけない。小沢狂想曲の中で、ジャーナリズムは確実に壊れはじめている。
「郵政不正事件」も公判で捜査のデタラメさが次々と明らかになり、公判維持ができるかどうかとまで言われている。この事件も、実は裏で民主党の石井一君が暗躍しているという噂が当初からあった。どうやら検察は石井君を挙げることで、民主党へのダメージを計算していたようだが、実は石井君が関与していたという根拠となる供述も、その本人が「壮大な虚構」と検察批判をしている。
しかし、こうした事実を大マスコミは詳細には報道しない。事件が起きた時には、さんざん石井君の関与を示唆していたはずなのにね。それもまた、検察リークだったのかと疑われても仕方ない。つまり、自らの報道に対して、まったく反省のカケラもないことが、問題なのだ。
保釈された石川君が、「意図的に虚偽の収支報告をしたことはない」とハッキリと語っているが、どのメディアも「故意に虚偽記載したことを認めた」と報じてきた。つまり、検察のリークに乗って彼らの都合のいい情報を垂れ流してきたわけだ。もちろん、真実は裁判で明らかにされるのだろうが、ならばこれからは、「意図的に虚偽の収支報告をしたことはない」という石川君の言葉を大々的に報道して欲しい。でなければ、あるストーリーに沿って世論操作をしたとされても仕方がない。
小沢君が定例の会見で、馬鹿な記者に辞任の意思を聞かれて、
「それから、もう一つは世論調査ですけども、ここ1ヵ月以上にわたりまして、小沢一郎は、水谷はじめその他のところからの不正なお金を受け取っていると、けしからん人物であるというたぐいの皆さんの報道がずっと続きました。そしてその後の世論調査でございます。今度そのような不正はなかったということが結果として明らかになったわけでありますので、私の願いとしては、小沢一郎を不正な献金は受けとっていなかった、潔白であったという報道を同じように続けていただいて、その後に世論調査をしていただければそのときにコメントいたします」
と返答したのも、メディアの一方的な情報垂れ流しに対する痛烈な皮肉なのだ。
社説の中では、「世論の多くは今、『小沢氏は幹事長を辞任すべし』としている」とまで記しているが、マッチポンプし続けた結果の世論調査を引き合いに出すとは手前味噌も甚だしい。ちなみに、ラジオやネットの世論調査では、「辞任すべきでない」が7割近くとなっている。
不起訴になったからといって、グレーはグレー、潔白ではない、なんて公然と言ってのけるメディア、自民党のお歴々、そしてヤメ検弁護士、さらにはキャスターとは名ばかりのタレント諸君は、その発言の恐さを知っているのだろうか・・・いずれは我が身もあるかもよ。
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