またひとり本物の役者が逝ってしまった。
「性格俳優」って言葉がこれほど似合う役者はいなかった。2日に亡くなった佐藤慶さんである。雑誌『ブルータス』のファッション特集で、佐藤さんにモデルとして出演していただいたのは、かれこれ20年以上も前。インタビュアーは、いまは亡き、作家の永倉万治さんだった。撮影は、立木義浩さん。スタイリストは、映画『おくりびと』のスタイリングを担当した北村勝彦さんという、今思えば何という豪華なメンバーだったことか。そして、みんな若かった。
確か、ロケは八王子当たりの飛行場の跡地だったと思う。廃墟となった格納庫で、ニヒルな役者は見事に大人のエロスを演じてくれた。寡黙ななかにも、カメラを凝視する時の眼光の鋭さがとても印象的だった。佐藤さんの特徴的な横顔のシルエットが表紙を飾ったのを覚えている。
その特集には、緒形拳さんにも出演していただいたが、日本の映画を支えた役者がまたひとり逝ってしまった・・・合掌。
財政破綻を発端にしたギリシャのデモでは遂に死者まで・・・。イギリスの総選挙では13年ぶりの政権交代も与党は過半数に届かず、2大政党制にひずみが起きつつある。世界はどうなっていくことやら、なんていらぬ心配している場合じゃないのだが、今朝の朝日の社説はちょっと変だぞ。
「公約でないとは恐れ入る」という見出しで、鳩山ポッポ君の言葉を引き合いに出して、沖縄の基地問題を論じているのだが、最後に「移設問題とは、『抑止力』と沖縄の負担軽減という困難な二正面作戦に他ならない。そのことは初歩の初歩のはずではなかったか」と締めくくられている。おいおい、普天間の海兵隊が抑止力ではないということは、多くの軍事専門家が言っていることで、それこそ初歩の初歩じゃないのか。それとも、そんなことは知ったうえで、敢えて「抑止力」を声高に叫ぶことで基地の必要性を説こうとでもしているのだろうか。もしそうなら、自民党がやってきたこととまったく同じだね。何度も書くけど、「抑止力」というまやかしはもういい加減にしなさい。そんなまやかしが通じなくなってきていることにすら気づいてないとしたら、大馬鹿者としか言わざるを得ない。もう、高みの見物している場合じゃないんだよ。なんてったって、国を危うくするのは、こうしたメディアの傍観者的態度なんだからね。
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コメント
はじめまして。
私は永倉万治の同級生で、現在、彼のことをなんでもかんでも調べています。
偶然、貴ブログを見つけ、喜んでいます。
くろねこさんは『ブルータス』で彼と結構一緒に仕事をしてるみたいですね。当時の彼の様子などブログに書いていただくとうれしいのですが、よろしくお願いします。
投稿: 万治くらぶ | 2010年8月29日 (日) 11時08分