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2010年6月18日 (金)

朝日新聞の姑息さよ。

 韓国が負けたのは残念だったけど、やっぱりメッシは凄いと感じさせてくれるゲームだった。ボールを持ってから相手ゴールに向かって一気に駆け抜ける時のスピードと迫力は、これぞサッカーであります。そして、ゴール前で絶妙なパスを出せる状況判断。芸術だね、あれは。代表戦だとこれまでとやくかく言われることが多かったけど、少しは胸のつかえがおりたかも。

 民社党のマニフェストが発表された。財源難などを理由にこれまでのマニフェストが軌道修正されるのは良しとしよう。でも、理念にかわる項目までトーンダウンしてしまうのは問題だ。取調べの可視化、公務員制度改革・・・これって流行りの言葉で言えば、民主党の一丁目一番地なんじゃないのか。公務員制度改革は廃案になってしまったし、可視化は今回のマニフェストでは触れられていないようだ。これでいいのか。消費税云々よりもこちらが先だろう。

 消費税といえば、記者会見で菅君は「自民党の10%を参考に」なんてとぼけたことを言っていたが、これってポッポ君の「最低でも国外」と同じでヘタすると言質をとられるよ。でもな、自民党の数字を参考になんて、よくもまあ恥ずかしげもなく言えたものだ。現実路線と言えば聞こえはいいが、ようするに政権交代を目指した時の「改革の理念」はポッポ・小沢の辞任とともに去りぬってわけか。

 官房機密費問題に関して、朝日新聞がゼネラルエディター兼東京本社編成局長からの「お言葉」を掲載している。読者の「声」欄への投稿にお応えするという形をとっているのが、まずはいただけない。内容にいたっては、手前味噌もはなはだしい。「野中元官房長官の今回の発言についても、朝日新聞は直ちに報道しました」って、嘘つけ。「直ちに」ってのは、「時間を少しも置かずに。すぐ」(岩波国語辞典より)って意味だからね。ついでに、「報道」とは「出来事を広く告げ知らせること」だから、そこのところよろしくね。

 そんなことはともかく、それに続けて、「これは、記者たちが官房機密費を受け取っていないことに自身を持っていることの表れだとご理解いただきたいと思います」とくるんだから、笑っちゃうね。自分たちにまずいことでも報道したんだから、それは潔白の証明ですよ、ってことなんだろうけど、下手に出ているようで、実は傲岸不遜ないい様になっているのはさすが朝日の面目躍如。

 また、この東京本社編成局長による原稿がおかしいのは、広義の意味での官房機密費の問題と野中君の暴露発言にある官房機密費によるジャーナリストへの買収まがいの行為とを一緒くたにしていることだ。問題の核心を見えにくくする論理のすり変えがある。いま話題の大相撲の賭博疑惑と同じ構図だね。つまり、暴力団がらみの賭博が問題になっていたはずなのに、いつのまにか暴力団はどこかへ行っちゃって賭博が悪いってなってる。官房機密費も同じ。官房機密費がいいかどうかという問題と、ジャーナリストが官房機密費を受け取っていたという問題はまったく別の話なのだ。

 なによりも問題は、ジャーナリストに官房費の一部がわたっていたという疑惑だ。仮に朝日が潔白だったしても、そうした疑惑が解明されたわけではない。ジャーナリストが権力側から金銭を受け取っていた、それも税金である官房機密費を受け取っていたという大スキャンダルこそが問題なのだ。これを検証せずして何のジャーナリズムか。日本のジャーナリズムの根幹が問われているということすら気づかなずに、僕ちゃんは報道してたもん、何も悪いことしてないもん、なんて駄々こねてるんだからお里が知れようというものだ。

 いずれにしても、朝日は潔白なんだよって言いたいなら、「声」欄にお応えするなんて姑息な形をとらずに、社説でしっかり説明してごらん。それをしないでアリバイ作りのような原稿載せるから、余計に勘繰りたくなっちまうってわけ。ま、できやしないだろうけどね。だって、いまは受け取ってなくても、スネにキズ持つOBは絶対にいるんだから。

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