福島正実の追悼・遺作集。
以前、ブログで紹介した翻訳家の方のご家族から譲ってただいた蔵書の整理がようやく一段落。今週からボチボチ、新着本としてアップしていきます。で、今回のリストもなかなかのレア本、貴重本がありました。なかでも、円谷プロダクション創立10周年記念出版の『円谷英二 日本映画界に残した遺産』は、1972年に初版が出て以来、長いこと再版されることもなく円谷ファンの間では伝説となっていた一冊。2001年に生誕100年記念として復刻されたため、一時の高値は落ち着いたが、それでも函、帯、ピニールカバーがついたオリジナル版の完本だもんね。そうそう簡単には手に入らない貴重本にかわりはない。
そして、もうひとつ。これこそレア本というのが、SFマガジン初代編集長、福島正実の追悼・遺作集『就眠儀式』だ。それも、関係者にだけ配られた非売品のレア本。ご家族からの献呈の辞と小冊子「福島正実略年譜・著作目録」まで揃っている。さすがに限定非売品だけあって、文庫サイズでありながら表紙は布装という懲りようだ。奥付には発行者・角川春樹、発行所・角川書店とある。30年以上も前の出版だけに日焼けはしているが、それがまた程よい味付けとなって古書独特のなんともいえない色気を醸し出している。
こうした珍本は、出版界に身を置いた方の蔵書だからこそ巡り合えたのであって、そうそうお目にかかれるものではない。ショートショート50篇がおさめられた『就眠儀式』は、角川文庫から発売されているから読むことは可能なのだが、ご家族が記念に出版した限定非売品のこの一冊の希少性は、また格別なものがある。
新着本として古本くろねこ堂の目録にアップしようかとも思ったが、しばらくは個人のコレクションとして保管することに決めた。何てったって、日本SFの功労者である福島正実の限定本だもんね。古本くろねこ堂のお宝として大事にしよっと。
ところで、参議院選を前にして消費税論議がかまびすしいが、ある意味でカカア天下菅君のしたたかな戦略という一面も見えてきた。消費税アップに言及しただけでなく、自民党の10%を参考にとまで言われちゃったんだから、菅君の抱きつき戦術に自民党はあっけにとられるしかないもんね。一応は批判してるけど、自分たちにボール投げられちゃったんだから、今度はそのボールをどうにか打ち返さなくちゃいけない。でも、あまりにもズバっとど真ん中にストレート投げられちゃったから、どうしていいかわかんないってところだろ。
消費税アップする時は総選挙で信を問う、とも言っているわけだから、消費税論議に乗りたくても自民党もおいそれとは乗れない。何年か先に消費税選挙になった時、民主党に反対できないし、かといって民主党が信任された暁には美味しいところは持っていかれちゃうからね。まさか菅君に自分たちの消費税案をかすめとられるとは思ってもみなかっただろうからな。自転車野郎谷垣君の鳩が豆鉄砲食らったようなコメントも笑える。いやー、菅君って案外策士かも。
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