爆笑問題は原点に返りなさい。
台風が通り過ぎていったら、すっかり秋めいた風が吹いてきた。8月もまだ半ばだから、これからきつい残暑がやってくるんだろうけど、猛暑に疲れたカラダにはちょいと心地良い。
11月の沖縄知事選に向けて、「県民主役の知事選挙を実現する会」なるものが発足した。浦添市長や県議会会派・改革の会が中心となって結成したもので、出馬が予定されている現職の仲井真知事と宜野湾の伊波市長以外の第3の候補者を模索するのだとか。改革派を名乗ってはいるけれど、なんのことはない辺野古移設反対派の切り崩しでしょ。だって辺野古移設反対なら伊波市長がいるわけで、これはどうみたって反対派の票を分散して結局は仲井真知事を当選させようって魂胆なんだろうと思う。
参議院選で自民党が議席を獲得したのも、共産党と社民党が候補を一本化できなかったことが原因のひとつなわけで、それと同じことを企んでるというわけ。先日、防衛大臣の北沢君が、できれば仲井真知事に勝って欲しい、みたいなことをくっちゃべってたけど、その流れの一環なんだろうね。「県民主役の知事選挙を実現する会」の会場には、民主党県連副代表の玉城君の姿もあったというから、何をかいわんやなのだ。
喜ばしいことに、日テレの『太田総理』が9月で終了するらしい。一桁視聴率が原因とか言われてるけど、さもありなんなのだ。で、番組終了に関して、爆笑問題の所属事務所のタイタンがコメントを出しているのだが、これがまた突っ込みどころ満載。
「太田の発言は、芸人のパロディーですので、真剣に取られてもらっても困ります。番組は、まともに捉えられ過ぎだったと思います。お笑いではなくなっているのではないか、という指摘もありますが、中途半端でもいいと考えています」
これって凄くないかなあ。まずは、「芸人のパロディー」ってなんのこっちや。言葉の使い方間違ってんじゃないの。ま、言わんとしていることは、「マジで受けないでくださいよ」ってことなんだろうけど、なんとまあ悪質な逃げ口上なんだろう。こんな風に居直っちゃいかんよ。洒落にもなっていない薄汚い言い訳してるようじゃ、爆笑問題の未来はないね。
「国民が選ぶ今ムカつく有名人トップ10…1位は意外なあの人」なんてテーマを掲げた時に、この番組は終わってる。ちなみに、1位は谷亮子、2位が小沢一郎。これだけで、どんな意図がそこにあったかわかろうというものだ。これをして、「芸人のパロディーですので、真剣に取られてもらっても困ります」と居直られても困るんだよね。視聴者を舐めとんのかいってことになっちゃう。
政治や世相にイチャモンつける芸風ってのは昔からあって、たとえば、コロムビア・トップ、ライトや人生幸朗なんてのがいた(古いね、それにしても)。でも、それはあくまでも「ボヤキ漫才」「世相巷談」と言われるもので、床屋政談の延長線上にあったものなんだよね。権威や権力といったものを洒落のめすという「お笑い」の効用がそこにはあった。でも、近頃の政治バラエテイーはそれとは違う。なによりも、メディアと手を組んでいるというところが決定的なところだ。つまり、そこには芸人のボヤキとは別次元の生臭い実態としての「政治」が絡んでいる。だからこそ、ちょいとずるい芸人なら、爆笑太田のようにけっして議論の中心に自分を置かない。
『TVタックル』のビートたけしを見ていればよくわかる。この番組では、たけしはあくまでも「置物」のようなもので、たまにチャチャ入れたりはするけれど、肝心なところではサッと身をかわす。実にずる賢い手法だが、これが芸人のしたたかさってものなのだ(個人的には好きじゃないけど)。
『雑学王』なんて番組があったりして、学歴や博識を競うおバカな芸人がいっぱいの今日この頃。「芸人が賢そうに見られたらおしまい」という亡き東八郎の言葉に拍手を送りたい。「だから、クイズ番組の解答者になっちゃいけない」と志村けんにアドバイスしたそうだけど、けだし名言でありましょう。
それはともかく、これを機会に、爆笑問題は原点に返って、漫才師として再出発してみたらどうだろう。文化人になりたい己の姿を自虐的に笑いのめすくらいの「芸」を是非とも見せて欲しいと願ってしまうくろねこなのであった。
| 固定リンク
「沖縄基地問題」カテゴリの記事
- 「辺野古工事の日当」デマを蒸し返したマンガ『社外取締役 島耕作』(弘兼憲史・講談社刊)が大炎上中・・・権力に媚を売る漫画家と出版社のえげつなさ!!(2024.10.21)
- 裏金議員を不起訴にした検事が検事総長のご褒美人事!!&3月だけでなく5月に起きた米兵による性的暴行事件も隠蔽!!(2024.06.29)
- 能登半島地震の混乱に乗じて辺野古基地建設に着手!!&志賀原発に設計想定外の揺れ!!&大川原化工機冤罪事件で国と都が控訴!!(2024.01.11)
- 辺野古基地建設のための代執行は、「公益及び公の秩序」により「基本的人権」すら制約できるとする自民党改憲草案そのものだ!!(2023.12.29)
- 辺野古の軟弱地盤工事で沖縄県敗訴確定・・・最大3兆円とも言われる工事費の責任は誰が取るのか!!(2023.09.05)
「芸人」カテゴリの記事
- 紳助引退と羽賀研二恐喝事件のつながり&口先番長の黒い交際疑惑(2011.08.24)
- 爆笑問題は原点に返りなさい。(2010.08.14)
コメント