« 「改革の決意」を消していいのか!? | トップページ | 尖閣ビデオとTPP »

2010年11月 9日 (火)

はたしてビデオ流出犯はヒーローか?

 尖閣ビデオの流出について、犯人探しが始まっている。流出元と疑われている海上保安庁は警視庁と東京地検に刑事告発した。証拠改竄に始まったオンボロぶりを見ていれば、とてもじゃないが検察になんかお願いできないってことなんだろう。そんな事情がありながら、最高検は福岡高検に捜査を指示したとか。当事者でもある那覇地検を管轄する福岡高検が捜査するということは、証拠改竄事件と同じ身内の馴れ合い捜査みたいなものでお笑い種だ。

 で、不思議なのが、ビデオ流出の犯人がなにやらヒーロー扱いを受けていることだ。確かに、情報公開という視点から見れば、こうした内部告発って必要なことなんだと思う。しかし、誰がどんな意図でやったのかがハッキリしない現状では、そんなに事は単純ではないような気がする。朝日のインタビューを受けて、ジャーナリストの魚住氏は、「仮に海保の人だったとすると、船長の処分が不透明な形だったことに対して義憤にかられ、確信犯的に投稿したことがうかがえる。義憤の中身はナショナリズム。いわば文民統制に異議申し立てをしたともいえ、危うさを感じる」とコメントしている。この視点は正しいと思う。

 鳩山ポッポ君は、「情報クーデター」と発言しているが、そうした側面がありやなしやという点は大いに問題にすべきなのでは。愉快犯的な気分でビデオを流したとはとても思えないだけに、その背景にはどんな勢力が潜んでいるのかがとても気になる。ビデオ流出をいいことに、インターネットを規制する動きや機密保護法の罰則強化など、きな臭い雰囲気も漂ってきている。それこそがビデオ流出を画策した勢力の意図するところだとしたら・・・そんなことに思いを馳せれば、いまの段階ではとてヒーロー扱いするわけにはいかないのではないだろうか。

 そもそもは、船長逮捕が招いた誤算なんだよね。始めからボタンをかけ間違っちゃってるわけで、結局は何事にも明確なヴィジョンを持たず、行き当たりばったりのスッカラ菅内閣の脆弱さがすべての原点にある。だから、「脱官僚 民主の変節」なんて朝日に揶揄されちまうんだよ。 

|

« 「改革の決意」を消していいのか!? | トップページ | 尖閣ビデオとTPP »

菅直人」カテゴリの記事

尖閣諸島」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: はたしてビデオ流出犯はヒーローか?:

« 「改革の決意」を消していいのか!? | トップページ | 尖閣ビデオとTPP »