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2010年11月16日 (火)

国家公務員による破廉恥罪。

 ああ、白鳳が負けちゃった。ひそかに69連勝突破を期待してたんだけど、負ける時ってのはこんなものなんだろうね。

 さて、14日のエントリーで、「このままいくと、おそらく歯舞、色丹の2島返還も遠くになりにけりで、2島返還を盛り込んだ1956年の日ソ共同宣言も反故になるかも」って書いたけれど、どうやら予測が当たっちまったようだ。今朝の朝日は、「2島返還に基づく交渉しない」という見出しで、ロシアの方針転換を伝えている。記事によれば、ロシアの有力紙が、「ロシアは北方領土をめぐる交渉方針を転換し、歯舞・色丹の2島引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言に基づいた交渉はもう行わない」と報じたそうな。

 やっぱりね。口先番長(C)田中康夫・前原君の「不法占拠」発言は、想像以上にロシアを刺激したようだ。「もう協議する余地はない」とも話しているそうだから、北方領土問題は確実に後退してしまった。この責任は大きいだろう。尖閣問題でも、強気一点張りで事を大きくしちゃって、挙句は害務大臣になったらアメリカに脅されて早々に船長釈放しちゃって、結局引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、後は知らんぷりだからな、このニヤケ男は。大臣が国を危うくしてどうする。日和見男・馬淵君ともども、お引取り願いたいものだ。

 さてさて、期待していた週刊現代だけど、いやあ、誇大広告に騙されちまった。てっきりsengoku38の手記かと思ってたら、ただの周辺取材をまとめたヨイショ記事だった。それでも実名は公表されていたから、おそらく本人の許可はとったのだろう。当の本人は逮捕見送りで、とりあえず帰宅とあいなったが、読売、週刊現代とメディアとの接触を重ねるその裏に何があるのか。陰謀論に与するわけではないが、とても単独犯とは思えないんだけどなあ。あまりにも用意周到なんだよね。

 発表されたコメントも殊勝なようでいて、「一人でも多くの人に遠く離れた日本の海で起こっている出来事を見てもらい、一人ひとりが考え判断し、そして行動してほしかっただけです」なんて、しっかりアジってるんだよね。ま、単独犯てことにして、個人の義憤による告発って体裁をとりたいんだろうけど、これって告発ではないからね。告発ってのは、所属する団体なり組織、大きくは国が隠れて不正を行なっている場合を指すわけで、今回のケースは当てはまらない。そもそも、流出させたビデオって秘密とは言えない。当然、公務員の秘密保護法違反ってのはちょいと無理があるのは事実だ。

 このところ静かだった高野(孟)君が、「検察官による証拠改変や警察官による窃盗や教員による痴漢といった公務員の倫理的退廃と同次元の問題にすぎない」と断じ、さらに公務員による情報クーデターの危うさを指摘ているけど、これは正しい。英雄だ、なんて馬鹿言ってるムキもあるけど、ようするに公務員による破廉恥罪ってこと。検察の天敵・郷原さんも、「今、重要なことは、ビデオという情報素材が政府の方針に反して流出したことに関して、政府や海上保安庁としての情報管理の方針や具体的対応を検証し、そこにどのような問題があったのかを明らかにし、それを前提に、流出させた海上保安官個人の行為の違法性の判断や社会的評価を行うことだ」と、日経ビジネスのオンライン版に寄稿している。

 ま、逮捕見送りがあたかも無罪放免のように受け取られているけど、捜査はまだ続くんだから、今後のsengoku38の動きいかんではどう転ぶかわからないんじゃないかな、とつぶやく晩秋の朝なのであった。

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コメント

ビデオ流出問題で最近思うこと。
1)流出させた問題と秘密性があるかは別問題。マスコミはこの二つの問題を意図的に(?)ゴッチャにし逮捕は難しいと煽っていたが、これっていつも違法リークに頼っているマスコミの言い訳みたいだった。
2)仙谷が「捜査書類を流すとは信じられない」とか何とか言ってたが、特捜の捜査情報・取調べ情報(しかもウソの)を垂れ流すのはOKなのか?
3)保安官の逮捕見送りについて、元特捜副部長の若狭勝が「起訴・公判維持が難しいと判断したのでしょう。」のようなことを言ってたが、大久保秘書、石川議員は公判維持が難しかろうがなんのその、いけいけで逮捕されてしまいました。
4)結論
 みんな自分に都合のいいようにコメントする。ダブルスタンダードの何と多いことか。

投稿: こなつ | 2010年11月16日 (火) 16時28分

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