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2010年12月10日 (金)

「小沢切り」という名のヒステリー現象。

 先日、行きつけのバーのカウンターで、開店直後の静かな会話をマスターと楽しんでいたら、珍しく早い時間に女性二人に男性一人の3人連れのお客さんがやってきた。そのうちのリーダー格の女性がマスターと顔見知りらしく、連れにひとしきり店の薀蓄なんぞを語っていたのだが、ま、それはよくあるところ。で、そのうちに、お酒もまわって会話の声もかなりテンションが上がってきたところで、なんと血液型の話を始めたのだ。

 実は、僕は血液型性格判断なるものが嫌いなのだ。そもそも、人間の性格が4つのタイプに分けられるという単純さに危険な匂いを感じる。そして、血液型信奉者の無遠慮で理不尽な物言いがそれに輪をかける。なんでもかんでも、「ああ、B型だからしょうがないんだよ」とか「そりゃ、Aの典型だわ」とかいう決めつけがたまらんのである。血液型が好きなのは勝手だけど、血液型でひとを判断することのお手軽さには十分注意を払う必要がある。

 僕は40歳になるまで自分の血液型を知らなかった。たまたま40歳検診というのがあり、血液型を調べることになって、せっかくだからというのでその頃連日のように飲みに行っていたバーで僕の血液型クイズをすることになった。いやあ、血液型信奉者の皆さんの力の入ったこと。なかには、「私はB型だからくろねこがBのはずがない」なんてみもふたもないことをおっしゃる妙齢の女性もいらっしゃいました。で、結果はどうなったかというと、血液型信奉者は全員はずれ。たった4つのタイプから選べばいいんだから、あてずっぽうでもそこそこ当たりそうなものだが全滅なのであった。血液型はB型だったのだが、「いやあ、Oだと思ったけどな。でも、O型に近いBってのもあるんだよね」なんて声を聞いたときに、じゃあ、血液型って意味ないじゃんと心に決めたのであった。

 ま、何事も決めつけはいかんということなのだが、小沢君=悪人という謂れなき決めつけほど困ったものはない。スッカラ菅君は政倫審への出席を国会で議決しようとしているようだが、何を血迷っているんだろう。「小沢切り」をすれば支持率が回復するなんて本当に信じているとすれば、そうとうな能天気と言わざるを得ない。なんでもかんでも「政治とカネ」のせいにしてりゃすむんだったら、こんな楽なことはないわけで、このヒステリー現象ははっきりいって国会が病んでいる証だろう。

 病んでいるといえば、ブラジル大統領の就任式にひょっとこ麻生君を政府特使として派遣するなんて悪い冗談が飛び交っているが、もう民主党政権は壊れちゃったのかも。大連立目指しての「シグナル」なんて見方も当然あるけど、よりによってひょっとこ麻生君とは世も末だ。

 それにしても、どいつもこいつも、「小沢切り」に走るってのは異常だと思うけどね。ここまで「小沢切り」に執念燃やすなら、そのエネルギーの何パーセントかでもいいから政治に向けてくれ・・・ってのが有権者の偽らざる心境なんじゃなかろうか。そろそろ、小沢君もケツまくる時期になってきたかもしれない。ケツまくるべきだと思うけどなあ。

 ところで、「青少年健全育成条例」の改正(悪)案に抗議して、角川書店が『東京国際アニメフェア』への参加を取りやめることを表明した。他の出版社もこれに続いて、しっかりと声を上げるべきでありましょう。

 「青少年健全育成条例」の改正(悪)案を提案、成立させようとしているのは、東京都青少年・治安対策本部なのだが、「保坂展人のどこどこ日記」によれば、本部長は警察庁キャリアで志布志事件の発覚当時に鹿児島県警本部長をつとめていた御仁なのだそうな。何をかいわんやとはこのことか。

・保坂展人のどこどこ日記
表現と言論を殺す「劇薬」の中身は変わらない(都青少年条例)

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