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2011年2月 2日 (水)

朝日の悪あがき。

 昨日からどうも喉がいがらっぽい。軽く風邪をひいたのかもしれない。ま、喉のいがらっぽさが不快なだけで、その他には特に症状が出ていないから、うがいをしっかりしていれば治まってくれるかも。

 さて、小沢君が検審起訴されて、これで小沢狂想曲も一段落・・・と思っていたら、くどいというか、ひつこいというか、引かれ者の小唄のようにいまだに小沢パッシングを声高に叫ぶジャーナリズムもどきがいる。今日の朝日朝刊の「墓穴を掘った国会証言の回避」と題した「ザ・コラム」はその典型か。執筆は、「本社コラムニスト」なんてわけのわかんない肩書きの元朝日新聞論説主幹の若宮啓文。

 ま、言いたいことってのは、タイトルを見ればわかっちゃうんだけど、後半部分で、ああ、朝日らしいな、と思わず苦笑しつつも噴飯物の原稿となっていくところがさすが元主幹だ。

 まず、「東京地検特捜部が小沢氏を不起訴にしたのは、大がかりな強制捜査によってもゼネコンからの裏金捜査の実態を解明できず、あの容疑では小沢氏の有罪判決を得られる自信が十分もてなかったからだろう」だとさ。これって、「嫌疑は十分あるんだけど、決め手になる証拠に欠ける」から不起訴になったって読めるんだけど、ちょっと違うんじゃないか。「大がかりな強制捜査によってもゼネコンからの裏金捜査の実態を解明できず」ってところが肝であって、そこに踏み込めなかった、踏み込むほどの証拠は何もなかったってことが不起訴になった理由だと思うけどね。「小沢氏の有罪判決を得られる自信が十分にもてなかった」ってのは、勝手な憶測じゃないのか。それに、「あの容疑」ってのもよくわからない。前後の文脈を辿っても、それにあたる「容疑」の記述がない。こういうのをまやかしと言う。

 で、続いて、「ところが、素人たちによる検察審査会はこれをひっくり返して判断を裁判所に委ねた。その是非には議論の余地があれ、普通の常識や心証を重んじたからに違いない」とくる。「その是非には議論の余地があれ」ってエクスキューズはこのところよく聞くようになったけど、ならば早く「議論」してくれないか。「検察審査会」が「議論する余地」がある存在ということこそ、大いに問題にしてしかるべきだと思う。そんな問題を抱えた検察審査会が、「普通の常識や心証を重んじ」て議決されちゃたまらないと思うのが市民の常識なんじゃないの。

 さらに続いて、「4億円もの大金の扱いを、本当に秘書たちだけで決められるものか。責任を秘書たちだけにとらせるのは潔くないのではないか。そもそも4億円はどうやってつくったのか判然としないではないか・・・」と、「普通の常識や心証」をご丁寧に解説してくれる。で、結局は、「国会の場に出て、こうした疑問にまじめに答える姿勢を見せていたら、素人たちの心証はまったく違っていたのではなかろうか」とくるんだからまいっちゃうよね。さんざん小沢パッシングであることないこと焚きつけておいて、よくもまあしゃあしゃあとゴタクが並べられるものだ。なによりも、「普通の常識」を金科玉条にして、小沢狂想曲といわれる事件の細部にわたって、しっかりと検証・分析をやろうとしないジャーリズムもどきが跋扈していることこそ疎ましい。

 たとえば、水谷建設元会長が石川衆議院議員に5000万円を渡したという供述ひとつにしても、マスメディアはちゃんと検証しただろうか。それどころか、いまではそんな報道したことを忘れたがっているように見える。TBSなんか、再現ビデオまで流しておいて、ほっかむりだからね。昨日の日刊ゲンダイは、水谷建設元会長に突撃インタビューを試みているが、「石川のいの字も知らない」とコメントしている。これが事実ならば、検察が描いた小沢狂想曲の核心が崩れることになる。それがわかっているからなのか、検察は水谷建設元会長の証人申請をしていない。つまりは、水谷建設元会長の供述に信憑性はないということじゃないのかなあ、「普通の常識や心証」では。でも、朝日はこのことについて一行たりとも記事にしたことがあるだろうか。それに、小沢君の証人喚問を云々するなら、水谷建設元会長の証人喚問もするのが筋ってもんだろう。そうした視点もマスメディアにはいっさいない。

 「ザ・コラム」は、最後にとってつけたように、「疑わしきは罰せずなのに、新聞報道は小沢氏に厳しすぎないか。そんな批判には自戒すべきだと思う」としながらも、「だが、議会人として当然の義務である国会での説明を避ける以上、その責めはご本人にきっちり負ってもらわなければなるまい」とは、なんとまあ上から目線と言うか、鼻持ちならない言いがりでありましょう。「そんな批判には自戒すべきだと思う」なら、どう具体的に「自戒」したのか説明してちょうだい。「自戒」ねえ。「善処」しますっていう官僚用語にそっくりに聞こえるのはくろねこだけだろうか。

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