電力を私物化する電力会社の思い上がり。
いやはや、梅雨の晴れ間とはいえ、昨日の蒸し暑さはちょいとこたえた。で、当然、電力使用量大幅アップてな記事が出ると思っていたら、案の定でありました。なんでも、東電はピーク時の使用量を3990万キロワットと予想としていたそうだが、さすがに真夏日だったこともあって午後1時から夕方までのピーク時で4129万キロワットを記録したそうな。東電のピーク時の供給量が4730万キロワットというから、使用率は87.3%ということになる。使用率が90%より低いということは供給に余裕のある状態なのだそうだが、東京新聞は「真夏日で電力急上昇」と見出しを打ち、ご丁寧にもサブで「4129万キロワット 東電、震災後最大」とちょいと煽り気味のコピーで迫っていた。で、記事の最後に昨年同日比を紹介してエクスキューズしていたのだが、それによれば去年の22日は今年より気温が低かったにもかかわらず、最大電力使用量は4821万キロワットにも達していたのだとか。で、「電力不足に備えた企業や家庭に節電意識が高まっていることもうかがわせた」と記事を締めくくっていたのだが、ならば「真夏日でも節電効果てきめん」なんてテーマで記事をまとめるけどね、アタシだったら。
ことほどさように、電力不足キャンペーンは深く静かに潜行しつつ巧妙に仕掛けられているわけだが、保坂世田谷区長が東電に要請していた「電力使用量即時公表」は、「時間、費用的に困難」ということで拒否されたようだ。「変電所ごとにリアルタイムの数字があるが、データを集約してグラフ化するなど、一般向けに情報開示するシステムがない」「システム作るには、費用は4億円、時間は8ケ月かかる」ってのが東電の言い分なんだが、これは嘘でしょう。おそらくやる気になれば技術的にも費用的にも可能なんだと思う。ていうか、本当は出来るのに出来ないふりしてるんじゃないのかねえ。
関電が15%の節電を事実上断念して、その一方で奈良県とは10%超の節電で合意文書交わしたってんだが、東電の電力使用量即時公表拒否といい、電力会社ってのは公的なインフラを独占的に任せていただいてるというのに、明らかに電力を私物化している。やっぱり、一度シャッフルして、発送電分離して、電力事業への新規参入を促して、本当の意味での電力自由化しなけりゃ、おそらくいつまでたっても埒があかないんだろうけど、国会の猿山ではいつ終わるとも知れない三文芝居が続いているんだから、この国はどうなっちゃうんでしょうねえ。
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コメント
「電力使用量即時公表」時間/費用は、キット下請けの下請けあたりで1、2ヶ月/数百万 なんてところで、それを巨大代理店あたりで億単位でふっかけ、東電で更に目一杯ふくらます、、、 そんなところだと推察します。基本はとにかく知らせたくない、、、 ここ迄来て一体何様なんでしょうね電力会社って。
投稿: Yoshi | 2011年6月23日 (木) 22時14分
脱原発の為には自然エネルギーの推進が必要です。
特に地熱発電は太陽光発電や風力発電と違い、天候や季節に左右されることはなく、夜間でも発電できます。
また新技術の「高温岩体発電」なら温泉鉱脈を必要としません。なので既存の温泉施設との競合がないのです。
(URLのP.14、コラム2を読んでみてください)
また全国の市区町村には概ねゴミ焼却場があります。その全てを発電施設にしても良いのではないかと思います。(火力発電所も原発も結局のところはお湯を沸かして発電している訳ですから)
原発をやめても代替発電の技術はあります。それに本腰を入れて開発、推進していくかどうかにかかっているのではないでしょうか。
投稿: pontarou | 2011年6月23日 (木) 21時25分