再び悲惨な事故が起きない限り、原子力村の住人は目を覚まさないのか?
日本がワールドカップで優勝するとは、凄い、凄すぎます。それも、世界ランク1位のアメリカを破っての勝利なんだから、歴史的偉業と言ってもいいでしょう。先制点取られてもしっかり追いついて、最後はPK戦というプレッシャーの中で勝利をもぎとったんだから、その心の強さにも感服。いやあ、まさか生きているうちにワールドカップで日本が優勝するなんて・・・。素晴らしいドラマに酔わせてくれたくれたなでしこジャパンに感謝!!
さて、北海道の泊原発が営業運転再開しそうな雲行きになってきた。知事はやる気まんまんで、「12月には大変厳しい状況が想定される。知事として道民の生活、産業活動を支えるという意味での電力の安定供給を確保していく責務を有している」てなことをのたまっている。「大変厳しい状況」ってのはもう耳タコの決まり文句なんだが、どうして原発動かしたいグループってのはしっかりとした数字を上げてその「大変厳しい状況」とやらを説明しないんだろうね。 「脱原発」を争点にした解散には署名しないって息巻いている原子力村の走狗であるところの海江田君も、何かと言えば「深刻な電力不足がやってくる」となんとかのひとつ覚えでまくしたてているけど、その裏づけとなるデータを提示したことなんか一度もないんだから、狼少年みたいなもんです。
福島第一原発では核爆発が起きていたということが次第にわかってきて、これからだって何が起きるか予想もつかない深刻な状況にあるっていうのに、それでも原発動かそうという政治家がいるってことは、まだまだ脱原発の国民的合意なんてとれていないってことです。原発抱える地域の首長が、国の政策に一貫性がないから混乱する、みたいなこと言ってるけど、その前に自らの原発に対する態度を鮮明にすべきなんだよね。なんでもかんでも国次第って風を装うのは、とてもずっこいやり方で、ようするに仮にトラブったとしてもそれは国の責任ってことにしたいわけです。
でも、国に振り回される地元、てな図式はもう通用しないでしょう。玄海町長のファミリー企業が九電から何十億っていう工事を受注していたように、多かれ少なかれ原発利権でひと儲けもふた儲けもしようと画策している有力者がいるわけで、そんなひとたちに限って事故が起きたらやれ補償金寄こせとか言い出すんだよね、きっと。つまり、国の政策がふらふらしてるおかげで地元はイライラってことも確かにあるんだろうど、見方を変えれば、したたかな地元に国もタジタジって構図が透けて見えてくる。「ちょっとした原発事故なら、補償交渉で大金をむしり取ることができる。一年に一回くらいは、そんなことがあればいいくらいだ」とまで調子こいてぬかした元敦賀市長なんてのもいたくらいだからね。
今朝の東京新聞が、「原発離婚」なる記事を掲載していたが、原発から避難する、しないで意見が対立し、結局は離婚に至る夫婦がいるのだとか。おそらく、放射能への危機意識の違いが溝となって崩壊していく家族って、これからは増えて行くのかもしれない。その記事の最後は、両親が離婚した少年のこんな言葉で締めくくられている。
「もう一度原発が爆発してくれないかな。そうなれば、有無を言わさず、みんなで避難できるのに」
「避難」を「脱原発」に置き換えたらどうだろう。ひょっとして、悲惨な事故が再び起きない限り、この国の原子力村の住人の目は覚めないのかも知れないと暗澹たる思いにかられる今日この頃なのであった。
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