政官財報が揃い踏みの「原子力ルネッサンス懇談会」
1969年に創刊された「ニューミュージック・マガジン」(現ミュージック・マガジン)は、音楽雑誌のアヴァンギャルドって雰囲気で、当時のロック少年にとってはバイブルみたいなものだった。編集長は中村とうよう。その中村とうようさんが自殺した。まさか、新聞の訃報欄でお名前を拝見するとは。安らかに。
さて、「東電OL殺人事件」だけど、どうもお定まりの杜撰な捜査が明るみになってきつつある。今回のDNA鑑定ってのは、そもそも初動捜査の一貫としてとっくにやってなければいけなかったものなんだよね。なんてったって被害者の体内に残っていた体液なんだから、いくら直前に男性との関係があったとしたって、まずは鑑定して確認するのが基本でしょう。推理小説でこんなプロット書いたら馬鹿にされます。ようするに、有罪とするための証拠だけを収集して、無罪を予測されるような証拠には見向きもしないっていう悪習がここでも発揮されていたというわけです。
ま、証拠といったって、この事件では犯人を特定できる物的証拠はなくて、状況証拠の積み重ねで起訴されている。で、一審では第三者が関与した可能性を否定できないということで無罪になったわけだが、二審では第三者が関与したとは考えがたいとして有罪判決が出た。でも、今回のDNA鑑定では第三者のものであることがハッキリしたわけだから、二審の判決理由の根拠は崩れたといってもいいでしょうね。一日も早く再審が決定すればいいのだけど・・・。
ところで、スッカラ菅君が脱原発を匂わせてからというもの、財界のバッシングってのはちょいと常軌を逸している。軽井沢に財界の古狸どもが集まって経団連の夏季フォーラムが開かれているが、そこではブーイングの嵐で、「日本がつぶれてしまいかねない」とオダを上げていたようだ。何が「日本がつぶれる」だよ。フクシマ・クライシスでもう日本はつぶれかけてるんだよ。そうした惨状すら理解できずに、原発再稼動に恋々とする貴様たちこそ、この日本をつぶすきか。
軽井沢に集まった古狸たちが原子力村に深く関わっている証拠に「原子力ルネッサンス懇談会」というのがあるのを、リック・タナカ氏の「南十字星通信」が紹介してくれていた。「ルネッサンス」はさすがにこの時期まずいと思ったのか、「エネルギー・原子力政策懇談会」と改称したようだが、なんとも姑息なオヤジたちだ。会長は元東大総長で文科大臣だった有馬朗人、座長が今井敬元新日鐵社長・第9代経団連会長とくる。メンバーには電力会社会長をはじめ、トヨタなどの大企業やマスメディアの社長・会長がズラリ勢揃い。
これを見ると、「脱原発」ってのは、そう簡単には行かないなとつくづく思う。根回しなんかしてた日には、おそらくつぶされる。そう考えると、スッカラ菅君の唐突な物言いというのも、もしかするとそんな現状を意識したからかもしれないと思いたくなる。
・リック・タナカの「南十字星通信」
原発ルネッサンス応援団
「日本がつぶれてしまいかねない」という原子力村の恫喝は、つまりは「利権がつぶれてしまいかねない」ってことなんですね。
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コメント
「東電OL殺人事件」最初から何やら謎に満ちた事件と記憶している。
ところで、二審(高裁)で有罪判決を出した裁判官なんだが、江川紹子さんのツイッターによると・・・・
(引用開始)
逆転有罪とした高木俊夫裁判長は、リクルート事件労働省ルートでも元次官を逆転有罪とし、他に足利事件の2審で菅家さんを有罪とし、狭山事件の第二次再審請求を棄却した裁判長。07年春の叙勲で瑞宝重光章
(引用終了)
だとか。トンデモ裁判長ですな。
こういう人をやめさせることはできないのでしょうかネ。
担当する裁判長によって人生が180゜違っちゃうんじゃ、たまらんよ。
投稿: こなつ | 2011年7月22日 (金) 11時03分