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2011年7月28日 (木)

原子力村は福島を放射能の大実験場にするつもりか。

 戻り梅雨なんて声も聞こえてきているけど、節電不足キャンペーンを展開したい東電にとってはちょいと頭が痛いことでしょう。梅雨明け当初の猛暑で、さあ、電力不足で大変だ、やっぱり原発がないと立ち行かなくなるよ、って声高に叫んでいたのが、ここにきて暑さも一段落しちゃったから、節電キャンペーンの脅しもきかなくなってきてるからね。ま、何事も都合よくはいかないというこってす。

 さて、世界水泳がどうにも盛り上がらず、アメリカはデフォルト(債務不履行)寸前で財政破綻も時間の問題となり、おかげで日本は円高で汲々としている今日この頃だが、エネルギー資源庁の原発関連情報監視業務を落札した広告代理店がわかったようだ。東京新聞によれば、その広告代理店は「アサツー・ディ・ケイ」で、おお、旭通信社(通称アサツー)の関連かと思って検索かけてみたら、なんと旭通信社が第一企画と合併してできた会社でありました。「福島第一原発事故の風評被害防止になる事業だと判断した」と担当者はコメントしているけれど、風評を時には捏造してでも商売するのが広告代理店なわけで、自縄自縛なんじゃないのと指鉄砲するくろねこであった。

 ところで、福島県の有識者による県復興ビジョン検討委員会が、「原子力に依存しない、安全・安心で持続的に発展可能な社会づくり」てなことをぶち上げ、偽黄門の甥っ子で原子力村にお友達がたくさんいる知事の佐藤君も、「脱原発」の姿勢をチラホラ見せたりしているんだが、どうもいまひとつ信用できない、と思っていたら、 原子力村の御用学者や御用機関と「県内の大学との連携の動きが相次い」でいるのだとか。

 福島県と御用学者の関係といえば、これはもう「ニコニコしてれば放射能は怖くない」の山下大先生の例が典型でしょう。福島県立医大の副学長におさまって、事もあろうに県内の子供たちの健康調査に手を出しています。で、原子力村の住人とのお付き合いはそれにとどまらず、なんと国立大学法人・福島大学は、な、なんと日本原子力研究機構(原子力機構)と「連携協力」の協定を結んだと東京新聞「こちら特報部」が伝えている。

 原子力機構ってのは、核燃料サイクルを研究する独立行政法人で、「もんじゅ」を抱えるバリバリの原発推進団体ですね。で、何のための「連携協定」なのかというと、これがよくわからない。福島大の学長は、「原子力機構の技術や知識を福島県の環境回復、復旧、復興に向けて活用するため」と空気の抜けたような発言しているけれど、これって、防犯のために現役の窃盗犯に顧問になってもらいました、っていうのと同じです。更生した窃盗犯でなく、現役てところがミソです。何かにおうよね。

 県のアドバイザーを務める山下大先生の解任を求めている「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」は、「低線量被ばくのデータを集めるために、子どもも大人も逃がさないでいるとしか思えない。一種の人体実験だ」とコメントしていたけれどごもっともです。

 放射性廃棄物の最終処分場が福島に押し付けられるのでは、という危惧もあるようで、つまり、福島はこのままいくと放射能の大実験場になるのではないだろうか。ひょっして、日本だけでなく世界中の原子力村もこぞってそう画策しているのではないだろうか・・・と、ついつい妄想してしまうのだが、福島県と原子力村との連携ってのは、何か怪しいにおいがしてならない戻り梅雨の朝であった。

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