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2011年8月17日 (水)

電力会社との癒着の海にどっぶり浸かる北海道知事とその一味。

 関西電力が火力発電所のトラブルを理由にやたら電力不足で脅しをかけている。昨日のNHK7時のニュースは、そんな脅迫まがいの関電の煽りを後押しするかのように、重大事件のごとく報道していた。電力不足の原因として、関西がいかに原発に依存しているかを述べつつ、だから原発停止すると大変なことになりますよ、てなことを暗に強調する始末。今回の電力不足(真実ならばの話だが)の原因てのは、あくまでも火力発電所の不始末なんですね。なによりも責められるべきは、そんな危機的状況(?)にありながら、火力発電所のメンテナンスをおろそかにしていた関電の管理体制にあるわけで、こちとらひねくれてるもんで、原発云々なんてのは何らかの意図があってのこととしか思えない。マスメディアは電力会社の尻馬に乗って電力不足を煽る前に、しょっちゅう事故起こしている電力会社の危機管理能力をこそ俎上にあげるべきでしょう。なんてたって、地域独占、総括原価方式でボロ儲けさせてやってるのは、電力の安定供給という前提あればこそなんだから、どんな理由にせよそれが達成できないってのは企業として恥ずかしいことなんだっての。

 そんな折も折、北海道の泊原発の営業運転再開が決まりそうだ。で、営業運転再開を容認した北海道知事の高橋女史と北海道電力の癒着ぶりを、ここぞとばかりに東京新聞「こちら報道部」がレポートしている。通産省出身の知事の政治資金団体の会長が北海道電力の元会長で、北海道電力の役員が毎年個人献金しているという、いつもながらの構図です。さらに、北海道庁の幹部が北海道電力に天下りしてるってんだから、もうどっぷりと癒着の海に浸かっているわけですね。こうした政治家や役人と電力会社の癒着ぶりってのは、いまさら驚くにあたらない・・・そうした現実こそが問題なのだ。電力行政そのものを根本的に見直さない限り、いつまでたっても癒着は続く。

 それにしても、フクシマがまだ収束の目途すら立っていないというのに、わざわざ営業運転再開を宣言しなくてはいけない理由ってのは何なんだろう。だって、調整運転なんていいながら、現実にはフル稼働はしていたんだから、こんなにも大げさに騒ぎたてること自体おかしいんだよね。黙ってたって、泊原発3号機は発電してたんだから。てことは、営業運転再開とアドバルーン上げることで、原子力村には何らかのメリットがなくてはならない。おそらく、ここを先途に停止中の原発の運転再開に向けての道筋をつけておきたかったのに違いない。これをきっかけに、うちんとこも運転再開すっか、という自治体が出てくるのを心待ちにしてるってことですね。 

 なんとも姑息なことするもんだが、姑息といえば、経産省と文科省がこっそりと原発関連の法改正をしていたようだ。改正されたのは、「電源立地地域対策交付金」の交付規則で、新増設時の交付金が増額されるようだ。また、既設原発に関しては発電量に応じて交付額を決めるらしい。この法改正はフクシマがレベル7に引き上げられた翌日に海江田と高木の連名で官報に告示されたのだとか。

 で、何が姑息かというと、資源エネルギー庁は記者発表もせず、官報の表紙に法改正がありましたよっていう告知もしていなかったことにある。つまり、誰にも気付かれないように、こそっとやっちまおうっていう魂胆がミエミエってことです。それも、フクイチが大惨事寸前の時期に、こんなセコイことやってたんだから、海江田も高木もロクなもんじゃない。ようするに、「脱原発」も「減原発」もスッカラ菅君の一人芝居で、原発マネーに取り込まれた政官財学報のペンタゴンにとっては、フクシマが水素爆発しようが、高濃度の汚染水が海に流れ出そうが、ヘでもなかったてことなんだね。そのくせ、いち早く家族を非難させたのも、こやつらなんだから、まるで満州で市民を置き去りにして自分たちだけ逃げ帰った関東軍将校のようなもんだ。

 ところで、陸前高田の松を引き受けた成田山新勝寺に、京都と同じく抗議の声が上がっているようだが、情けないひとたちだこと。京都の五山の送り火では、京大の小出助教が、「そんな事言うなら、福島からもう京都だって放射能が飛んできてるわけですから。そのことにこそ京都の人たちは怒って欲しいし、原子力発電というものがどういうものかということに、声を上げて欲しいと思いますけれども。え…、陸前高田の人たちにいったい何の罪があったのかと。何の罪もない、ないまま汚染をされて、その汚染も本当に微々たると私から見れば思うような汚染をことさらに取り上げてそれを拒否するというようなことは、私からみるとほんとうに悲しいことだと思います」とラジオでコメントしていたけれど、京都を千葉に置き換えれば同じことで、まったくおっしゃる通りとうなずくくろねこであった。

小出裕章助教のコメント 

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