風評被害を助長する京都市&吉本隆明の詭弁。
ジョー山中、逝く。去年の年明けの「大口ひろし追悼ライブ」のステージで、ミッキー吉野のキーボードをバックに「人間の証明」を歌い上げた姿が目に浮かぶ。それからほんのひと月ほどで癌を告知されたそうだが、それにしても早すぎる旅立ちだ。合掌!
さて、京都五山の送り火に護摩木として使う予定だった、震災で倒れた陸前高田の松が、「放射能汚染が心配」という市民の声で急遽使用中止となった。護摩木には一本一本、被災者の思いが綴られていたそうだが、なんともやるせない。陸前高田の松は、放射能チェックもされていて、なんの問題もないという結論が出ているというのに、ほんの数十件という市民の抗議に京都市が過剰に反応したおかげで使用を拒否されたわけで、これこそ「風評被害」の最たるものでしょう。
正確な情報を積極的に開示しないから、こういうことが起きるんであって、国も自治体も自らが「風評」製造機になってるわけです。で、今回の護摩木について言えば、明らかに汚染されていないということがわかっていたにもかかわらず、わずか数十件の市民の声をあたかも「世論」であるかのごとく装って中止にした京都市の事なかれ主義は犯罪的ですらある。京都市民は、いまからでも遅くないから、京都市に掛け合って陸前高田の松材を使った護摩木使用を認めさせるべきだと思うよ。なんの根拠もなく、「放射能汚染」の疑いをかけた市民の声ってのは、自らの「無知」をさらけだしたようなもんなんだろうけど、おそらくそんなことにも気づかないひとたちの声が「世論」として形成されていくことに恐怖すら覚える今日この頃なのだ。
ところで、外務大臣が、「日本で流通している食品は安全」と強調してきた主張を自粛するように指示したっていうのだが、これって、つまりはそれほどまでに食品汚染は広がっているってことを意味してるんだよね。汚染牛肉のことばかりが注目されているけど、その裏側では海産物の汚染が深刻化しているという噂もあるわけで、その被害は果てしないってのが現実なのだ。そして、なによりも怖いのは、いま起きていることはほんのスタートにしか過ぎないってことなんだよね。放射性物質の恐怖を描いた『魚が出てきた日』っていう映画があったけど、夜の浜辺に魚がポツンポツンと浮き上がるラストシーンがとても印象的だったんだが、汚染牛肉ってのはその魚と同じようなもんで、あくまでも汚染のプロローグなのだ。
原発ってのはひとたび事故が起きれば、百年、千年、万年単位で汚染は続くわけで、本来人間が制御出来るものではないんだよね。つまり、人間と原発の悲惨な戦争ってことなんだが、そうした現実を目にしながら、それでも吉本隆明は、「原発をやめる、という選択は考えられない。科学に後戻りはない」と強弁するのだろうか。
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