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2011年9月28日 (水)

陸山会事件判決を「国民の常識的な感覚に近い」と評価する大学教授の「ああ、勘違い」。

 上海で地下鉄が衝突。信号の故障が原因ということだけど、中国版新幹線の大事故に続いてのことだから、安全管理にかなり杜撰な面があるってことなんでしょう。もしこれが、原発だったら、と思うと背筋が寒くなる。そうなったら、黄砂と同じように確実に放射能は日本に降りそそぐわけで、その時の危機管理なんかおそらく何も考えてないだろうね、この国は。

 ようするに、原発で儲けることしか考えてないから、原発のためならどんな嘘もつくし、政治化との癒着なんて当たり前。で、佐賀県知事の原子力村とのズフズフさ加減がまたひとつばれちゃいました。今度は、パーティー券を九電に買ってもらってたというのだが、ま、実に古典的な利益供与のあり方です。九電はそのパーティー券を取引会社に無理矢理買わせてたというんだけど、おそらくこういう構図は原発のある地域ではどこも似たようなもんなんじゃないのだろうか。単なる、「推認」ですけど。

 「推認」といえば、陸山会事件の判決について、なんで法曹界、特に日弁連は抗議の声明を出さないのだろう。「有罪」判決ということばかりがクロースアップされ、あたかも贈収賄事件のような報道もされているが、そもそも水谷建設からの裏献金が立証できないから、政治資金規正法の虚偽記載という形式犯で起訴したわけで、それを裁判所が訴因にない裏金問題にまで踏み込んで、なおかつ「推認」つまりは勝手な「憶測」「解釈」をつけ加えて判決を出したってのは職権乱用だと思うけどね。

 陸山会事件については、東京新聞もよれてます。今日の「こちら特報部」は、「小沢氏元秘書一審判決どう見る」というテーマだったのだが、これがまあ、ゆるいのなんの。「状況証拠による『推認』を積み重ねた判決に疑問の声も上がっている」とリードで語りつつ、記事の中身はというと、小沢一郎に説明責任あり、ってことがどうやら言いたいらしい。もちろん、裁判所に批判的な佐高信のコメントなども載せてはいるが、それはあくまでもバランスを取るためのアリバイ作りなんですね。「こちら特報部」としては、「法律的には議論の余地が残るが、国民の常識的な感覚には近い。積極的、挑戦的な判決だ」とする日大教授の岩井奉信のコメントに近い立場をとっているように見える。

 しかし、「国民の常識的な感覚に近い」という発言は、聞き捨てならんけどね。「岩井君のの常識」を「国民の常識」に一般化する根拠が聞きたいものだ。岩井君の言う「国民の常識」ってのは、そこにひっかからない人間は「非国民」という発想につながりかねないと思うけど・・・。もっと言ってしまえば、「国民の常識」にのっとれば、私刑(リンチ)もありってことっすか。それにしても、一応は大学教授ともあろうものが、よくもまあ「国民」という言葉を安易に使ってくれるものだ。「国民の常識的な感覚」ほど、信用ならないものはない、ってのが戦後の反省のひとつでもあったんじゃないのかと改めて考えさせられる今日この頃である。

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