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2011年10月 7日 (金)

東京新聞よ、お前もか・・・小沢一郎初公判に思う。

 小沢一郎が夜中に救急搬送されたが、容態は大丈夫なのだろうか。「腰の痛みを訴えている。意識はあり、自力で歩くこともでき、命に別状はない」(東京新聞より)と関係者は語っているそうだが、集中治療室のある方に救急車は向かったようだという未確認情報もある。心臓に持病を抱えているだけに心配ではある。

 さて、初公判から一夜明けて、昨夜からのマスメディアの報道ぶりを見るにつけ、小沢狂想曲ほどではないにしろ、けっして好意的でないその姿勢にはあきれるばかりだ。たとえば、東京新聞である。社会面には記者傍聴記なるものを掲載。飯田某という署名記事なのだが、2009年に司法担当記者になり、それから2年間、「仕事に向けたエネルギーの半分以上は陸山会事件に注いだ」というのだが、書き出しからして悪意が感じられるなんとも下卑た記事に仕上がっている。

 「検察が小沢一郎を政治的、社会的に抹殺しようとした。国民から何も負託されていない検察・法務官僚が、民主主義を踏みにじった」という小沢一郎の意見陳述を引用し、こう続ける。「法廷は講演会場、証言台は演説台になった。小沢一郎元代表の言葉は目の前の裁判官に向けられていなかった。意見陳述は国民向けの政治演説だった」。ああ、そうですか、だからどうした。意見陳述という絶好の舞台だ、証言台が演説台になったからって、それが何か?てなもんでしょう。2年間も陸山会事件にエネルギーを注ぎこんだ挙句の傍聴記の書き出しがこれだもんな。

 で、こうも言ってます。「マスコミは事件当初にリーク報道批判を浴びた。捜査する側の情報に多くを依存した報道は、受け入れられなくなっている。この事件は、関わった多くの人に変化を求めている。変わらなくてはいけないのは、検察やマスコミだけではないはずだ」。と大上段に振りかざすわりには、自分はどう変わったのかってことへの言及はない。で、ここからがこの記事のクライマックスなんでしょう、この記者にとっては。「小沢元代表が無罪になっても、ゼネコンから多額の献金を集めていた事実は変わらない。なぜ、ゼネコン各社がこぞって献金したのか。大久保隆規元秘書は自らの公判で、業者に頼まれて談合の仕切り役に口利きし、一方で献金を要請していたことを認めた」と続くのだが、「なぜ、ゼネコン各社がこぞって献金したのか」って、あんた、そこを独自取材で徹底検証するのが記者の仕事なんじゃないのか。2年間もエネルギー注いだって自慢するくせに、自分の足で掴んだネタは何もないんだね。

 で、最後に、「記者にとっての二年間を総括する思いで臨んだ初公判。意見陳述から変化の兆しを読み取ろうとしたが、肩透かしにあった」と締めくくるのだが、それは君の勝手だろ。そもそも、どんな変化を小沢一郎に期待したんだ。意見陳述で小沢一郎が反省の弁を述べるとでも思ったのだろうか。だとしたら、おととい来やがれだね。おそらく、こうした情緒的な記者の存在こそが、小沢一郎にとっては唾棄すべきものじゃないのだろうか。

 初公判後の記者会見では、国会での説明責任とか、4億円の原資の出所についてとか、記者クラブの記者さんはこれまでもさんざんしてきた同じ質問を繰り返すばかりなんだから、そりゃ、イチロー君にしたら「こいつらバッカじゃないの」と思ったとしてもむべなるかななのだ。「国会での説明責任」については、質問した記者がイチロー君に不勉強さを叱られていたが、そもそも刑事被告人という立場の者が国会で説明しなけりゃならない法的根拠なんてないと思うよ。そう言うと、今度は、道義的責任なんてこと言い出すんだが、刑事被告人という立場になった以上道義的責任もへったくれもあるわきゃない。

 そしてもうひとつの「4億円の原資」だげど、これは昨日もコメントを紹介した宗像弁護士の「常識ですが、このカネの性質について立証責任を負うのは、被告側ではなく100%検察です」というのが正しい。立証責任は訴追しようとする側にあるのが原則。ここを曲げちゃうと、疑いをかけられた者は、自らその潔白を証明しなくてはいけないという暗黒裁判になっちまう。疑いをかけた側にこそ立証責任があるわけで、記者会見でそんなこと質問したって答えてくれるわけがない。で、答えないと、やっぱり怪しいって記事になるわけです。それに、小沢一郎の裁判で、「4億円の原資の出所」って何か意味があるんだろうか。そんなことは争点にはなっていないはずなんだけどね。ま、もっとも、これに関しては、もうちょっと丁寧な説明をすべだとは思うけど・・・。

 最後になったけど、東京新聞は社説もよれてます。「腹に据えかねたような検察批判を繰り返したのは、政治の師である故田中角栄元首相や故金丸信元自民党副総裁と同じ立場に置かれたことへの不満の表れだろうか」ときたもんだ。せいぜい1200文字くらいの原稿で、こんな無駄な書き出しするんじゃない、ってくろねこが編集局長だったら叱り飛ばしてやりますね。で、小沢一郎のグレーゾーンを縷々述べ立てながら、最後は「元秘書の裁判では、推定で事実を認定する「推認」を重ねて有罪に導いたことに専門家から批判が上がった。犯罪事実は合理的な疑いを差し挟む余地がない程度まで厳格に立証せねばならない。鉄則を“軟化”させることなく、裁判所は冷静に判断すべきだ」って締めくくるんだけど、「冷静」にならなくちゃならないのはマスメディアそのものなんじゃないの、「東京新聞よ、お前もか」と天を仰ぐくろねこであった。

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» 小沢裁判をわかりやすくいうと、ただの「嫉妬」なんです。 [岩下俊三のブログ]
あいつの顔が気に喰わないから奴を病院送りにしてやる。これは半世紀ぐらい前のアメリカ南部のワンショットバーで聞いた覚えがある言葉でした。流れ者のプロレスラーはよくガラの ... [続きを読む]

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