友人の訃報&原子力村の食えない人々
昨日の夕方、友人の訃報のメールが届く。8月の末に急性心不全で亡くなったのだとか。葬儀は家族だけで執り行い、四十九日も終わって落ち着いたところで連絡がきたのだが、まずは突然のことで言葉を失う。しかも、友人とはいっても、まだまだ若い。渋谷のバーで老若男女まざっての飲み仲間のひとりで、まだ40そこそこなんだよね。知り合った時はまだ学生で、同じ仲間でもあるカミさんも十代の頃から知っている。で、二人が結婚した時は、下町に住みたいというので、知り合いの不動産屋にたのんでご近所として引っ越して来た仲なのだ。スープの冷めない距離にいながら、このところ会う機会がなかったのだが、まさか・・・という思いにしばし脱力。聞けば、亡くなった友人の実家(京都)で葬儀をしたらしく、おそらく突然のことで連絡もままならぬうちにてんてこ舞いになっちゃったんだろう。毎年恒例の渋谷のバーでの忘年会も近くなってきたし、今年はみんなで献杯か。カミさんのブログが8月の末からまったく更新がなくて気になっていたのだが、やはり胸騒ぎってのはあるんだね・・・安らかに。
訃報といえば、北杜夫が亡くなった。「どくとるマンボウ」の洒脱なユーモアも楽しいけど、おすすめの一冊といえばなんといっても「楡家の人びと」だ。アララギ派の歌人で精神病院の経営者でもあった斎藤茂吉の血をひく一族三代にわたる栄枯盛衰を描いたこの作品は、重厚な大河小説を装いながらも登場する人物がどれも奇人変人で、抱腹絶倒かつスリリングなストーリー展開はジェフリー・アーチャーの「ケインとアベル」のドラマツルギーに通じるものがある・・・と、くろねこは勝手に思っている。是非ご一読を
さて、14日のブログにも書いたように、原子力委員会が事故コストを含めた原発発電コストの試算を進めていたのだけど、どうやらまとまったらしい。これが凄い数字なんだよね。損害額を3.9兆円として計算した結果、1.2円増ということになったってんだが、これには除染費や放射性廃棄物の中間貯蔵施設費、さらには廃炉費用も含まれていない。そもそも、3.9兆円という損害額も怪しい。これって、東電が賠償すべき最低限の数字なんだとか。1.2円増ってことは、これまで原発のコストってのは5.3円とされていたそうだから、それでも水力(11.9円)や火力(10.7円)より安いってことになる。つまり、「安全」で「低コスト」っていうこれまでの原発神話の完全復活を目論んでいるとしか思えない。
ようするに、原発コストを事故にかかる費用も含めて再試算しているってことは、原発は停止しませんよ、って言ってるようなもんなんですね。脱原発ならぱ、いまさらコスト計算なんかする必要がないんだからね。それよりも、廃炉にかかる費用を計算するのが先決なんだからさ。
原子力委員会には、損害額を48兆円として独自計算した委員もいて、これだと12円もアップするんだとか。参考意見てことでウヤムヤにされちゃったそうだが、こんな子供だましの数字操作して恥ずかしくないのかねえ、これに関与した大学の先生たちは。原子力村には、曲学阿世の輩がいまだに跋扈してるようで、ホント、食えないおひとたちだこと。
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