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2011年11月26日 (土)

除染費用支払い拒んだ東電とそれを認めた東京地裁

 福島大波産の米からまたしてもセシウム検出。米農家にとっては痛恨の極みだろう。出荷停止したことで市場に出回ることはないのがせめてもの救いか。大波地区が全袋検査をしているからこその素早い対応なのだけど、では福島県としてはどうするつもりなのだろう。安全宣言することにばかりかまけて、県による全袋検査には消極的というのは、ようするに早いとこ原発事故の影響を風化しちゃいたいという思いがあるんだろうね。

 福島県では県外に避難する住民が後をたたないようだけど、これ以上人口流出しちゃうと税収だって減るし、県の財政が成り立たない、ということが原発事故を一刻も早く風化させたいという思いの裏側にはあるような気がする。放射能なんて笑って暮らせば怖くない(脚色・くろねこ)てなオトボケ発言した山下なんたらとかいうポンコツ教授を県のアドバイザーや県立大学の副学長に登用しているくらいだからね。福島県は、原発を推進してきた現在の知事体制をいったん白紙に戻して、一から県政を見直さないと何も解決しないのではないだろうか。

 ところで、福島県のゴルフ場が東電に除染費支払いの訴訟を起こしていたんだってね。恥ずかしながら、まったく知りませんでした。で、先月の末に、東京地裁が請求を却下したってんだから、ベラボーなことだ。東京新聞「こちら特報部」では、デスクメモで「東電は放射性物質は自社の所有物でなく、除染の責任はないと拒んだ」と書いている。続けて、「東電や国の姿勢は『不運だったと思って諦めろ』ということか」と憤っていたが、ごもっともです。

・時事ドットコム
福島ゴルフ場の仮処分申請却下=「営業可能」と賠償認めず-東京地裁

 昨日も書いたけど、ようするに、東電は加害者なんだよ、ってことが忘れられちゃってるんですね。電力会社の大元締めである電気事業連合会の会長が昨日の記者会見で、「広告費の原価除外」や「自治体寄付金除外」などの総括原価方式見直しに対して反論したってのも、加害者意識がまったくないどころか、国策だったんだから仕方ないという被害者面しようっていう魂胆があるからなんだね。聞いたわけじゃないけど。

 そんなこんなで、加害者意識のまったくない原子力村の住人のひとりである東芝は、フクイチ建設に関わった責任もなんのその、川崎市にある実験炉の運転を再開するってね。神経逆撫でするってのはこいういうのを言うんでしょうね。

 こうなると、近い将来、子供たちに放射能の影響が出たとしても、「不運だと思って諦めろ」って言うね、こいつらは。東京新聞「こちら特報部」のデスクメモが嘆くように、「道理のかけらもない国になった」ものだ。

 最後に、昨日は清武元球団代表の会見があったけれど、その後にTV朝日『スーパーJチャンネル』に出演した際に、「曝露はしませんけど、追求はします」っていってたのが妙に気になるくろねこであった。

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