「原発というのは結局、『あとは野となり山となれ』の発想なんです」(土井淑平氏・東京新聞「こちら特報部」より)
オリンパスの取締役責任調査委員会が元社長ら経営幹部に900億円の損害賠償を請求すべきとする報告書をまとめたっていうんだが、上場廃止はどうなってんでしょう。なんだか、オリンパス生き残りが前提で何事も進んでいるのが解せない。オリンパスの不正経理を指摘したマイケル・ウッドフォードの逆襲も、どうやら機関投資家や銀行の裏技でなし崩しになってしまったし、海外の投資家にはなんとまあ閉鎖的で前近代的な国だろうと笑われているんだろうね。グローバリゼーションが聞いて呆れる。それはともかく、このままオリンパスが上場廃止にもならずにのうのうとしていられるとしたら、ライブドア事件てのは何だったんでしょう。同じ粉飾決算でも、その額は天と地ほどの開きがあるわけで、これじゃあ、ホリエモンも死ぬに死ねない・・って、殺してどうする。法の下の平等、ってのはこの国では権力者にとって都合のいいように解釈されているってことなんだろうね。
ところで、10日に告示される北海道泊村の村長選は、原発推進派の現職が無投票当選となる公算大と朝日新聞(電子版)が伝えている。泊原発は玄海原発と同じく「やらせ」問題もあったりしたのだが、結局のところ何もかもウヤムヤのままで、「喉元過ぎれば・・・」ってのが正直ところなんだろうか。あまりにも悲しいけど。こういう時に、社民党や共産党ってのは無力なもんなんだなあ、つくづく思う。ていうか、何やってるんだろう。小さな村の村長選に対立候補を立てることすらできないんだから、そりゃあ、国政レベルで力を発揮できるわけありません。共産党はともかくとしても、社民党の体たらくってのは、いかんともしがたいものがある、と原発問題を通じてしみじみと思う今日この頃なのだ。
「喉元過ぎれば・・・」ってのは、マスメディアの原発報道のスタンス見ててもよくわかる。暮れから新年にかけて福島を中心に広範な範囲でセシウムが増加したという事実にしても、ほとんどの新聞・TVは片隅にすら報じていない。東京新聞「こちら特報部」は「人形峠ウラン残土」で戦った共同通信の元記者、土井淑平氏のインタビューを掲載していたが、氏曰く、「原発というのは結局、『あとは野となり山となれ』の発想なんです。幻想の上に成り立っている空想科学小説なんです」。おっしゃる通りです。で、「あとは野となり山となれ」のお先棒を、報道自粛・規制という形でマスメディアが担いでいるわけですね。
比較的頑張っているのが東京新聞なんだが、6日の朝刊では、「臨界・腐食防止で使用 処理水の有害物質放置」という見出しで、汚染処理のために投入されたホウ酸やヒドラジンといった化学物質に対して、東電も環境省もまったくその影響について着目していないことを指摘していた。どちらも、水質汚濁防止法で規制されている化学物質で、人体に有害であることはもちろん、海に放出すれば新たな海洋汚染を引き起こす可能性があるってんだから、まさに放射能ってのはイタチごっこなんですね。こうした「負のスパイラル」が、いずれは世界中を放射能汚染で包み込んでいくことになるんだろうけど、「あとは野となり山となれ」ってのが原子力マフィアの腹ってことです。
【くろねこの競馬予想】
京都では、3歳場の重賞第一弾のシンザン記念。昨年は、三冠に輝いたオルフェーブルが2着となったレースだ。この時期の3歳は不確定要素が多くて予想しずらいのだが、朝日杯で好走したトウケイヘイローを中心に、ピュアソウル、ジェンティルドンナが相手。穴ならグーラネ。
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