« イチロー裁判にかこつけて、嬉々としてコメントするヤメ検弁護士のいやらしさ。 | トップページ | 緊急速報! 田代検事の報告書虚偽記載について最高検に告発状を提出しました。 »

2012年1月12日 (木)

読者に憤懣ぶちまける東京新聞のイチロー裁判「記者傍聴記」。貴重な傍聴券がもったいない。

 15年前の殺人事件でDNA検査の結果、別件で収監されている受刑者のものと一致したんで事情聴取中というニュースが流れているけど、この事件てのは冤罪寸前のことが起きていたっていうね。事件発生直後に、殺された女性の祖母と姉夫婦が逮捕され、最終的には不起訴となったって。最初っから顔見知りによる犯行という見立てで、強引な取調べしたんだろうってことは容易に想像がつく。事件に関与したと供述したおばあさんて、当時80歳だもんな。おそらく、誘導尋問バンバンやって、筋書き通りにうなづいちゃったのかもね。取調べの可視化について、このところ論じられることがあまりないけど、こういうことがあると一日も早く実現すべきだと改めて思う。そういえば、先日、仙台地検の検事が、取調べの最中に、「録音や録画していると話しづらいんじゃないの」と容疑者に持ちかけて、可視化を中止してたって報道もあったっけ。警察や検察にとって、可視化ってそんなにまずいことなら、なおのこと可視化を実現する意味があるというものだ。

 さて、イチロー裁判だけど、昨日も書いた通り、今朝の新聞も4億円がどうたらこうたらで大はしゃぎ。脱原発では孤高の戦いを続ける東京新聞も、イチロー裁判ではなりふりかまわないうっぷん晴らしの記事書いてます。なかでも、驚いちまったのが、横井武昭の署名による「記者傍聴記」だ。記者も人間だから、イチローが嫌いな奴もいるだろうし、いわゆるひとつの「市民感覚」ってやつで小沢の金銭感覚が許せないって奴がいたって、それは自由だ。でも、ジャーナリスト(?)として署名をうって紙面に原稿書く時に、個人の憤懣をぶちまけちゃいかんだろう。読者投書欄にでも投稿するこった。で、その記事の書き出しですが、こんな具合です。

 関心があるのは天下国家のことだけ、億単位の現金を事務所に保管、収支報告書の作成はすべて秘書任せ-。問答が続くほど、大物政治家への憤りが高まった。

 いやあ、ジャーナリストとして裁判傍聴して、その傍聴記で「憤りが高まった」って書かれてもねえ。しかも、この裁判は傍聴するだけでも大変で、江川紹子氏なんかフリーのジャーナリストにも優先的に傍聴させてほしいと裁判長に直訴して、却下されたばかりなんだぜ。記者クラブに所属してるからってだけで、優先的に傍聴席割り当てられている記者なら、自覚ってものがないのかねえ。さらに、こうも言ってます。

 政治団体の代表が会計責任者の選任や監督について注意を怠ったときには罰金を定めている。最終的な責任は政治家にある。

 ちょっと待て。イチロー君は、陪席判事から「秘書が不相応なことをして損失を与えたり、不法なことをしたりして監督責任を問われる恐れは考えないのか」と質問され、「不祥事があれば自分の不徳。違法や不正があれば私の責任」って応えてるよ。さらに、「政治資金規正法は正確な報告書の提出を求めている。天下国家にまい進と言っていたが議員として報告書を確認する責務は」という問いには、「ある。責任逃れではないが、目を通す議員はおらず、それでいいのかとお叱りを受けるならその通りだ」ともしっかりと意見を述べているんだよね。(公判要旨は東京新聞より引用)つまり、「最終的な責任は政治家にある」って、イチロー君もちゃんと認識はしてるんであって、傍聴記のこの記述ってのは、傍聴記なんてものとはほど遠く、個人の感想・雑感にしか過ぎないんであって紙面の無駄遣いのナニモノでもない。で、最後は、こう結んどります。

 小沢元代表の説明には到底納得できず、政治を任せようとは思えない。有罪か無罪かの判断には直接関係ないが、一政治家としての同義的責任は免れない。

 いやはや、ボクちゃん許さないぞ、って言ってるわけです。「有罪か無罪か・・・」のくだりにいたっては、この記者の単なる個人的感想ですね。イチロー裁判てのは、政治とカネもそうだけど、地検特捜部のあり方も重要なファクターなんだが、この記者にとっては、んなことより「小沢憎し」がまず根底にあって、そこから一歩も抜け出せていないんだね。とにかく、イチロー裁判の核心に触れることもなく、何も検証していないサイテーの原稿になっとります。いやあ、こんな記事を書くための傍聴券ならもったいないぞ。

 傍聴記もすさまじいけど、本紙記事も凄いことになってます。重箱の隅をちょいとつつかせていただけば、こんな記述があります。「通常なら他人任せにしないような業務も『政治家と秘書の信頼関係は特別だ』との主張を繰り返し、指定弁護士側の追求を封じた」っていうだけど、「通常なら他人任せにしないような業務」って何なのだろう。4億円を秘書に預けたとかなんたらいうことなのかもしれないけど、記事全体を読んでいてもいまひとつ具体性がない。「通常なら他人任せにしないような業務」ってのも、どう考えても記者個人の感想なんじゃないのか。イチロー裁判て、そういう言い方が罷り通っているんだね。「普通はしない」とか、「常識では考えられない」とか、でも、それって多くの冤罪事件のトバ口でも口にされてたことなんだね。「普通」とか「常識」とかが接頭語として使われだしたら、まずは疑ってかかったほうがいい。おうおうにして、そういう場合の「普通」とか「常識」ってのは、書き手にとって都合のいい「普通」や「常識」にしかすぎないのだから・・・。

|

« イチロー裁判にかこつけて、嬉々としてコメントするヤメ検弁護士のいやらしさ。 | トップページ | 緊急速報! 田代検事の報告書虚偽記載について最高検に告発状を提出しました。 »

陸山会事件」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1314411/43715613

この記事へのトラックバック一覧です: 読者に憤懣ぶちまける東京新聞のイチロー裁判「記者傍聴記」。貴重な傍聴券がもったいない。:

» メディア・ファシズム 〜 事実の切り取りと“像”に閉じ込めた印象操作という手法 [誰も通らない裏道]
予想通り、健全な法治国家のために声をあげる市民の会による告発をマスメディアはガン [続きを読む]

受信: 2012年1月13日 (金) 10時50分

« イチロー裁判にかこつけて、嬉々としてコメントするヤメ検弁護士のいやらしさ。 | トップページ | 緊急速報! 田代検事の報告書虚偽記載について最高検に告発状を提出しました。 »