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2012年3月12日 (月)

追悼式典で「原発との戦いは続いています」ってぬかしたその舌の根も乾かぬうちに、「原発再稼動の先頭に立つ」だとさ。

 昨日の追悼式典で、のっけから全員起立で国家斉唱というのには、ちょいと違和感あったなあ。で、ノダメ君はといえば、「原発事故との戦いは続いています。福島を必ずや再生させ、美しいふるさとを取り戻すために全力を尽くします」てなことをぬかしてくれたけど、「事故収束宣言」したのをもうお忘れか。そっか、「原発事故との戦いは続いている」んだね、それなのに夕方の記者会見では、原発再稼動について「政府を挙げて説明し、理解を得る。私も先頭に立たなければならない」ってんだから、いやはやです。

 辛い記憶が嫌でも甦るその日に、「原発再稼動に向けて先頭に立つ」なんて宣言しちゃうんだから、この男の頭の中は腐ってます。今上天皇の「この震災のため原子力発電所の事故が発生したことにより、危険な区域に住む人々は住み慣れた、そして生活の場としていた地域から離れざるを得なくなりました。再びそこに安全に住むためには放射能の問題を克服しなければならないという困難な問題が起こっています」という言葉に、おそらく込められていただろう「脱原発」への思いを、こやつは何と聞いたのだろうか。

 TV各局の震災特集を見てても、東電への怒りはおろか、批判の声すら上げないんだからね。原発の隣接地域では、事故のおかけで立ち入り禁止になり、被災者救出すらできなかったっていう事実があるわけで、それでいまだに悔やんでいる人たちがいるんだよね。もしかしたら救えたかもしれない命を、なす術もなくただ手をこまねいて佇むしかなかった、その原因は東電にあるんだから、そこをねぐって震災報道特集ってのは成り立たないんじゃないんでしょうか。

 ましてや、東電の会長も社長も姿を見せることなく、白々しい謝罪文発表しただけなんだからね。せめて福島県の追悼式典に出席して、罵詈雑言浴びるくらいでなくっちゃ、駄目だろ。もっとも、出席させてくれなかったかもしれないけど・・・。加害者が事故が起きたその日にのうのうとしていられる国ってのは、世界中探したってどこにもないんじゃないのかねえ。

 地上波の震災特集のグータラぶりに比べ、ナショナルジオグラフィックチャンネルの「3.11スペシャル」は、なんの演出もくわえず、たんたんとあの日に起こった現実を流し続け、映像というのはいかに能弁なものかということを改めて教えてくれた。外国人記者が東京湾埋立地で液状化現象に遭遇し、カメラを回しながら、「沈没するんじゃないか」とつぶやくところがあるんだが、その一言に込められた恐怖感ってのは、百万言費やすよりも説得力がある。青森県の米軍三沢基地の混乱ぶりも流れていたが、これは初めて見る映像だった。最後まで、思わせぶりなナレーションもなく、事実を事実として映像で伝える。そのパワーをどこかに置き忘れてしまった日本のTVには、やっぱり明日はないと確信した3.11であった。

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