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2012年4月24日 (火)

「小沢系議員」というお手軽表現で思考停止する新聞記者&関電の節電効果予測の「丼勘定」データ。

 いよいよイチロー裁判の判決が明後日と迫り、検察に対していくつか動きが出てきている。ひとつは、民主党を中心とした議員による検察審査会の強制起訴議決に関する検証要請だ。もっと早くなんでやらなかったの、という疑問は置いといて、この記事を書くにあたって多くの新聞が「小沢系議員」っていう表現を使っている。たとえば、朝日は、「検察審査会のあり方調査要請 小沢系議員ら「『法務委で』」っていう見出しを使っている。で、記事をよく読むと、ちゃっかりと「小沢氏に近い多数の議員のほか、新党大地・真民主、新党きづななどの議員も含まれる」ってエクスキューズしとります。ことほど左様に、何かっていやあ「小沢系議員」でひっくくっちゃうお手軽さってのは、実は何も考えてないってことの証なんだね。よく、雑誌の原稿なんかで、表現に困っちゃって「筆舌に尽くし難い」って安易に誤魔化しちゃうシロートさんがいるんだが、「筆舌に尽くし難い」ことを「尽くす」のがプロってもんです。「小沢系議員」って表現には、これに共通した思考停止があるんだね。おそらく、この記事書いた記者は、「小沢系議員」って書いた時点で、このニュースの独自の分析は放棄してます。もっとも、通信社の配信をそのまんま載せただけかもしれないけど・・・。

 東京新聞なんか、「小沢一郎元代表の支持議員」って表現を使ってます。これだけで、もうこの記事で何が伝えたいかわかろうというものです。検察審査会の強制起訴議決の検証、っていうテーマよりも、「小沢一派がなにかやらかした」っていうことを、暗に言いいたいわけです。そういえば、2、3日前のイチロー裁判の経緯を説明した記事でも、田代作文検事の捜査報告書偽造について、本文でまったく触れてなかったっけ。原発ではジャーナリズムの矜持をしっかりと発揮する東京新聞も、イチロー裁判のこととなると筆が鈍りまくっているのは、やっぱり記者クラブという温室に毒されているからなんでしょうね。

 そして、もうひとつ、「検察の在り方検討会議元委員有志」が「検察の在り方について第三者検証を求める!」要請書を持って法務省と検察庁を訪問。その後に、郷原信郎氏、江川紹子氏による記者会見があった。で、この要請書の賛同人に、田原総一朗、大谷昭宏の名前もあるのだが、この二人はTVにもコメンテーターとして出演していながら、けっこう上手に立ち回って、検察批判ってのをあからさまにはしないんですね。ヘビースモーカー大谷君なんか、陸山会事件の当初は検察の小沢一郎をターゲットにした無謀な捜査を批判していたくせに、このところのコメント聞いてると、なんか通りいっぺんのことしか言ってないもんね。本来なら、レギュラーでTVのコメンテーターとして出演しているジャーナリストを名乗る御仁たちが、もっと必死こいて検察批判してこなくてはいけなかったわけで、賛同人でお茶濁されてもなあ、とつくづく思うのであった。

 ところで、「夏の電力不足」を電力各社が報告したそうだ。それによると、関電と九電が突出して不足しているんだが、ちょいと不思議なことがある。たとえば、「関電が試算した8月の需給は、猛暑だった10年8月の最大需要(3095万キロワット)に節電効果を織り込むと、需要は3030万キロワットまで下がるが、供給力は2535万キロワットにとどまり、495万キロワット(16.3%)不足するという」んだが、これっておかしくないかなあ。「最大需要(3095万キロワット)に節電効果を織り込むと、需要は3030万キロワットまで下がるが」っていうけど、てことは節電効果ってたった65万キロワットってことになるよね。いくらなんでも低すぎる数字だと思うけどね。

 去年の9月に東電が発表した節電効果の数字があるんだけど、それによると、ピーク時には約900万kw以上の節電効果があったんだとか。大口利用者で29%、家庭で6%の節電努力があったっていうから、関西だってそれほど苦労せずにこれくらいの節電できるはずなんだよね。それともなにかい、関西のひとっての節電したくないとでも言うんでしょうか。んなはずあるわきゃない。つまり、関電のお手盛り数字の結果なんだよね、電力不足ってのは。これは、九電も同じです。こんな「丼勘定」で危機感煽って、原発再稼働画策するとはフテー野郎だ、ったく。

・家電Watch
東京電力管内、今夏の節電効果はピーク時に約900万kW以上
~8月の実績で16.8%節電

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コメント

テレビ報道で「小沢氏に近い・・・」という表現を聞くたびに、妻と二人で「だったら財務省に近い野田総理は・・とか、アメリカのいいなりの○○○はとか、言ってみろ」と叫んでおります。

ところで最高裁に大谷剛彦と言う判事がおります。2010年から最高裁判事をやっているのですが、経歴を見ると今話題沸騰中の最高裁事務総局の経理局の課長や局長
あるいは最高裁事務総長などを歴任して、
最高裁判事になった人です。

そしてこの大谷判事、実は大谷昭宏の実弟なんですね。
もちろん、だからってどうだと言うつもりはありません。
兄弟といえども、人格も立場も違い、それぞれの仕事に邁進しておられるのだと思います。
兄はジャーナリストとして舌鋒鋭く検察の腐敗や最高裁の闇に切り込んでくれることでしょう。

くどいようですが、色眼鏡で見るつもりはサラサラありません。
ただ事実としてお知らせしただけです。

投稿: こなつ | 2012年4月24日 (火) 11時48分

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