原発破れて山河消え。必読の書、『淡水魚の放射能 川と湖の魚たちにいま何が起きているのか』
福島県内の川や湖の水底の土壌に含まれる放射性物質の濃度が大幅に増加しているというニュースが2、3日前の東京新聞に載っていたが、今日の朝刊によればフクイチから約160km離れた中禅寺湖でもいまだに高いセシウムが検出され、汚染されたヒメマスが問題になっているという。ま、これなんかほんの一例に過ぎないのは容易に想像できるわけで、おそらく東北から関東にかけての川や湖のほとんどはこれから何十年、何百年も放射性物質による汚染と戦っていかなくてはいけないんだろうね。気の遠くなるような話だが、これが原発事故の現実で、国破れて山河在りどころか原発破れて山河消えってわけです。
でも、喉元過ぎればなんとやらで、このところすっかり放射能汚染への警戒心が薄れてきているような今日この頃なのだが、そんな風潮に冷水を浴びせてくれる衝撃的な本が出た。それが、東海大の水口憲哉教授による『淡水魚の放射能 川と湖の魚たちにいま何が起きているのか』(フライ雑誌社)だ。何日か前の日刊ゲンダイでも紹介されていたが、それによれば、
(これより引用)
例えばアユ。(中略)いわき市の夏井川では2011年5月末に380ベクレル、8月には18.5ベクレル。急減したのに、9月には再び119ベクレルに増えた。
今年はどうか。5~7月の計測では、伊達市の阿武隈川では170ベクレル、福島市の阿武隈川でも170ベクレルのアユがいた。
アユは年魚で、事故時に生きていた魚はとっくに死んでいる。それなのに、相変わらず、セシウムが出てくるのだ。底質にセシウムがへばりついているからである。環境省による今年1月の調査では真野川の底質から588ベクレル/キロのセシウムが出た。飯舘村のダム湖、はやま湖は3万9000ベクレルである。
(引用終わり)
中禅寺湖のヒメマスも同じような原理で汚染されているんだろうが、つまりは川や湖では魚に限らず、藻や水生昆虫にいたるまで放射能まみれってことなんですね。怖い話だ。で、このことは山でも同じだそうで、「木の葉っぱに放射能が付着している。その葉が落ちて、腐葉土になる。木の根から再び放射能を吸う」という悪循環の連続で、山から放射性物質がなくなるなんて夢のまた夢。最終的には禿山にして除染するしか手立てはないとか。つまり、除染は不可能ってことを意味してるんだね。↓画像をクリックすると拡大します。
そういえば、一昨年の猛暑以来、去年の夏も今年の夏も庭の植木に毛虫がつかなくなったのだが、果たして暑さのせいだけなんだろうか。暑さに加えて3.11以降の自然環境の変化ってのも、何かしら影響しているんじゃないのか、と我が家のドラ猫に囁いてみる初秋の日曜なのであった。
【くろねこの競馬予想】
京都では、3歳牝馬クラシックの最終戦、秋華賞。ダビーよりも速いタイムで2400mを走りきったジェンティルドンナの3冠達成が濃厚。相手もヴィルシーナで決まり。この2頭に割って入るなら、まだ直接対決で勝負づけのついていないハワイアンウインドか。前走は出遅れが響いたトーセンベニザクラの一発にも期待。
◎ジェンティルドンナ、○ヴィルシーナ、▲ハワイアンウインド、△トーセンベニザクラ、
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