安倍晋三は、「英霊に尊崇の念を表するため」に靖国神社に玉串料を納めるそうだ。英霊とされた兵士たちの怨念が、この男の心の目の曇りを晴らしてくれればいいのだけれど・・・権力者の側から見た「戦争」しか知らない、知ろうとしない哀れな世襲政治屋には無理な話というものか。
8月15日。日本が負けた日。昭和20年のこの日も、したたかに暑かったと亡くなったお袋が言っていた。思えば、くろねこの子供時代というのは、戦後とはいえ戦争の面影がまたまだ日常生活の中にあった。大人たちは昨日のように戦争体験を語っていたのを覚えている。戦争の残滓が身近にゴロゴロころがっていたのだ。
父親の世代はほとんどが兵隊にとられた。くろねこの親爺は学徒出陣の前年に徴兵され、心優しいチキンだったので大卒でありながら下士官としての登用をヤンワリ拒否して衛生兵として陸軍大蔵病院で敗戦を迎えた。チキンだったおかげで命拾いしたわけだ。素晴しいことだと思う。匹夫の勇を発揮されていたら、いまのくろねこはいなかったかもしれないのだから。そして、アメリカ移民の子供だったお袋は日本で教育を受けるために兄、弟と3人で田舎の熊本に帰され、以来両親と会うことなく敗戦の日を迎えた。
お袋の母親、つまりくろねこの母方の婆ちゃんは、アリゾナの強制収容所で終戦を待たずに40代という若さで亡くなった・・・ということを、戦後になってアメリカから一時帰国した爺ちゃんからお袋は聞かされた。プラチナの指輪が肩身としてお袋に渡された。一度もはずすことのなかったその指輪はカーテンリンクのように細くなり、いまはお袋の肩身としてくろねこの指で光っている。
ちなみに、戦後すぐアメリカの爺ちゃんから大量のペニシリンが送られ、それを闇でさばいてくろねこが育った家を買ったのだとか・・・我が家では、これを「ペニシリン御殿」と読んでいる。
カミさんの父親はシベリア抑留を生き延びて帰国。カミさんによれば、当時の話は金輪際しなかったという。その心境はただただ慮るしかない。戦地に赴いた兵士たちを待っていた悲惨な状況は、とても思い出話として語れるものではなかったのだろう。
そんな記憶を持った大人たちが時折口にする戦争体験は、けっして勇ましいものではなかった。たまに酔っぱらって軍歌を放吟する大人たちもいたが、その心の裡までは子供に理解できるわけもなかったとはいえ、けっして楽しいそうな顔ではなかったような気がする。
くろねこの周りにいた大人たちにとっては、先の戦争は「悲惨な戦争」だったのだ。反面、「悲惨な戦争」とは感じない大人たちの中で育った子供もいたわけで、レレレのシンゾー、ひょっとこ麻生なんかはその典型的な例に違いない。それはそれで哀れなことだと思う。なによりも、戦争に対する想像力が鈍磨しちゃっているのだと思う。権力者の側から眺めた戦争ばかりを聞かされて育ったんだろうから、目も曇ろうというものだ。
そんな子供が大人になって、いままた「戦争のできる国」にしようとしている。こんなにも哀しいことがあるだろうか。レレレのシンゾーもひょっとこ麻生も、おそらく自らが駆り出されるなんてことは考えたこともないだろう。いつも安全地帯からの高みの見物、死ぬのは一般大衆労働者諸君なんだから、そんな立場になったら誰だって勇ましいことを口走りたくなろうというものだ。
レレレのシンゾーは、敗戦の日の今日、英霊に尊崇の念を表するために靖国神社に玉串料を納めるそうだ。英霊とされた兵士たちの怨念が、この男の心の目の曇りを晴らしてくれればいいのだけれど・・・それは妄想というものか。
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コメント
幸いな事に「岡目五目」の周囲には、遠い親戚の者が中国戦線に(生還)に狩り出されただけで、直接戦争の犠牲になった者はいない。
ただ、農村に住んでいながら非農家だったため、お嬢さん育ち(?)のお袋が知り合いを頼りに毎日の食料確保に走りまわっていたことを幼な心に思い出す。
ところで、改憲症候群原発セールス狂真正冷血漢隠れナチ党員は、「戦争の出来る国」から「戦争をする国」に日本を変身させようとしていることが、これまでの言動で明らかになった。
今日の共同通信配信で、河野洋平が「集団的自衛権の行使は結局は交戦すること。戦争の惨禍・悲劇を忘れてはならない。9条は日本の根本的な精神だ」と述べている。
投稿: 岡目五目 | 2013年8月15日 (木) 11時39分