「水銀被害を克服した」って言い草は「福島原発事故の経験を生かした世界最高水準の安全性」っていうたわ言とまったく同じで、安倍晋三はどうしてこうも人の痛みに無神経でいられるんだろう。
昨夜、いつものバーで、いつものように飲んでいると、突然携帯が・・・。なんと、中学時代の友人I君の訃報が。ちょっと力が抜けちまった。彼と出会ったのは中学3年の時で。たまたま同じクラスになって、なんとなく意気投合。高校は別々の学校だったが、ほとんど毎日のようにお互いの家を行き来して、若気の至りでああでもないこうでもないと語り合ったものだ。
本を読む楽しさを教えてくれたのも彼だった。ちょうど、創元推理文庫が発刊された時で、E・R・バローズの「火星シリーズ」が出版され、いち早く読み始めたのがI君だった。当時、まったくのガキンチョだったくろねこは、マンガ以外に本を読むなんて習慣はなかったのだが、「火星シリーズ」を読み終えるたびに貸してくれるものだから、なんとはなしに読み始めたのが運のツキ。はまりましたね、SFに。そうなると、お互いに、アレ読んだか、コレ読んだか、ということになって、朝、新聞を取りに出るとポストに「コレ読め」なんてメモと一緒に文庫本が入っていたなんてこともあった。
I君との出会いをきっかけに始まった読書体験がなかったら、おそらく、いまのくろねこはいない。昨日の今日で、まだI君が亡くなったなんて実感はないんだが、これからジンワリと押し寄せてくるんだろうなあ、悲しみってやつが。
というわけで、とてもブルーな朝なのだが、そんな気分にさらに追い討ちをかけてくれたのが、レレレのシンゾーだ。6日のエントリーで紹介した「水俣条約」を採択する外交会議に違憲総理がビデオメッセージを寄せて、こんなことを口走っていたとか。
「水銀による被害とその克服を経たわれわれだからこそ、世界から水銀の被害をなくすため、先頭に立って力を尽くす責任が日本にはある」
これって、福島第一原発事故に対する認識とまったく同じなんだね。
「福島原発事故の経験を生かし、世界最高水準の安全性の原発を提供できる」
この思考回路ってのは何なんでしょう。水俣病で苦しむひとはまだ大勢いるし、福島第一原発事故は現在進行形で収束の目途も立っていいないのが現実なんだよね。それを、「水銀による被害は克服した」とか「福島原発事故の経験を生かし」とか、能天気にも程があろうというものです。
こういう歪んだ現状認識で軽口をたたたくことが、どれほど当事者を傷つけるかっていうことにまったく思いが至ってないんですね。こんなのがソーリ大臣だなんて威張りくさってるんだから、世も末どころじゃありません。すべてを「過去形」で語る、この男にとって、水俣病も福島第一原発事故も、きっとなかったことなんでしょうね。
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