「よりよく統治するためにはよりよいプロパガンダが必要だ。両者は不可分で、統治なきプロパガンダが無意味なようにプロパガンダなき統治もあり得ない」(ナチス宣伝相ヨーゼフ・ゲッペルス)・・・2014年度予算案における官邸広報費65億円が意味するもの。
今年亡くなった有名人、なんてコーナーがニュース番組では年の瀬の恒例となっているが、そんなおひとりに10月に亡くなった天野祐吉さんがいる。広告をジャーナリズムの一環として捉え、「広告批評」という観点から、広告を通して見えてくる時代や社会を鋭く突くその語り口は、いまという憂鬱な時代にこそ必要なのではとつくづく思う。
その天野さんの講義を、まだ駆け出しのコピーライターの頃に受けたことがあるのだが、ひとつだけいまでも心に残っている言葉がある。「国の広報活動が巧みになった時がもっとも危険」。時はまさにバブルに突入する寸前で、広告に携わるクリエイターからスターが排出され出した時代だ。自衛隊の広告もやたらソフト路線になって、気の利いたキャッチコピーまで付けられるような風潮を、ちょいと皮肉ったのだと思う。
「思想宣伝には秘訣がある。何より宣伝の対象人物に、それが宣伝だと気づかせてはならない。同様に、宣伝の意図も巧妙に隠しておく必要がある。相手の知らぬ間に、たっぷり思想をしみこませるのだ」・・・ナチスのプロパガンダの首領、ゲペッルスの言葉を待つまでもなく、巧妙な宣伝・広報活動は、時の権力者にとって、最先端の武力にも匹敵するほどのパワーを持つものなのだ。そんな思いが、おそらく天野さんの心の奥にあったのに違いない。だからこその言葉だったのだ。
で、レレレのシンゾー政権による2014年度の予算案がつい先日発表された。それによると、官邸広報費とやらが65億円計上されている。これまでは40億円程度だったから、けっこうな増額だ。レレレのシンゾーがゾンビの如く政権に復帰して以来、バラエテイー番組にまで出演したりして、新聞・TVをしたたかに手の内に入れてきたそのさらに上を来年度は行こうというわけなのだろう。
ゲッペルス気取りの世耕君なんかもうウハウハに違いない。「家庭内野党」なんてことをほざいている女房の露出がここにきて一段と目立ってきているのも、おそらくその一環なのではとくろねこは睨んでいるんだが、なんとまあ、今朝の東京新聞は、「家庭内野党」インタビューで1面、2面と大サービス。内容はと言えばもう聞き飽きたことばかりで、東京新聞お前もか、ってなもんなんだが、こうしたあの手この手のプロパガンダが、来年はあらゆるメディアを使って展開されるに違いない。
「贅沢は敵だ!」のスローガンを「贅沢は“す”敵だ!」とたった一字で切り崩した戦中の庶民の過激なパロディー精神が、いまこそ必要な時代なのではないだろうか。
【くろねこの競馬予想】
今年最後の大一番、大井の東京大賞典は、今度こそのワンダーアキュートから。相手は、もちろんホッコータルマエ。この2頭の一騎打ちで、今年の競馬の締めくくり。
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コメント
>ゲッペルス気取りの世耕君なんかもうウハウハに違いない。「家庭内野党」なんてことをほざいている女房の露出がここにきて一段と目立ってきているのも、おそらくその一環なのではとくろねこは睨んでいるんだが、なんとまあ、今朝の東京新聞は、「家庭内野党」インタビューで1面、2面と大サービス。内容はと言えばもう聞き飽きたことばかりで、東京新聞お前もか、ってなもんなんだが、こうしたあの手この手のプロパガンダが、来年はあらゆるメディアを使って展開されるに違いない。
「贅沢は敵だ!」のスローガンを「贅沢は“す”敵だ!」とたった一字で切り崩した戦中の庶民の過激なパロディー精神が、いまこそ必要な時代なのではないだろうか。
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ここの真実を疑うとか見抜く国民の民度ですよね。
確かにね、セコー率いるネット部隊は恐ろしい。ネット出来ないジジババに対するマスゴミの洗脳作戦も素晴らしい。
墓場でゲッペルスはきっとセコーを称えるでしょう。
「君こそ私の後継者だと」
ほんでなんだ・・・そこの主人がヒットラーとアベゲリゾー・・・・
なんだかねぇ~。
投稿: kappa | 2013年12月29日 (日) 18時48分
年表を繰っていたら、昭和12年に「時局に関する記事取扱い方通知」てェのがあって、以来新聞は政府広報紙に成り下がった。
今はこんな通知は出せないだろうが、今度は、地方紙を含めて月一回全面広告を打つなど、札びらで政府広報紙の役割をさせるという企みか?
広告が売り上げの70%をしめるというこ新聞は、これで矜持を保てるか。
ところで、軍国主義者が、調子づいて何度も外遊したんで予算オーバーになって、来年の「そと遊び」は予備費から出すんだそうだ。
日本を辱める「外遊び」は止めてほしいものだ。
投稿: 岡目五目 | 2013年12月29日 (日) 11時29分