子育ての現場が低賃金であえいでいるのに、産業競争力会議が画策する準保育士が導入されたらもっと悲惨なことになるだろう。
ガーナ大使が公邸を使ってバカラ賭博をご開帳だそうです。アフリカの国の大使がヤクザに弱み握られて、大使館を隠れ蓑にしてカジノ経営にひと役買わされるっていう話はどこかで聞いたなあと思いをめぐらせていたら、おお、たけしの映画『アウトレイジ』でそんなシーンがあったけ。映画観た時には、ちょいとできすぎのプロットじゃないのと思ったけど、あったんですね、実際に。映画では大使はヤクザのハニートラップにひっかかるんだけど(このへんのプロットは『ゴッド・ファーザー』ですね)、ガーナ大使もそのくちか? にしても、大使公邸が渋谷の道玄坂にあるっていうのも、なんかなあ。
・“大使公邸カジノ”摘発、10人逮捕 ガーナ大使の聴取要請 警視庁
この2、3日、ベビーシッター問題がかまびすしいが、それと関係あるのかどうか、政府が準保育士の導入を検討してるそうだ。そもそもは、レレレのシンゾーのお友だち集団の産業競争力会議が提案したそうで、保育所をつくっても保育士不足が深刻で、かといって保育士資格を取るにはけっこうハードルが高いから、たとえば子育て経験のある主婦が簡単に資格を取れるようにして、保育士不足を補おうっていうことらしい。
実際、保育士になるのって結構大変で、くろねこも20代のみぎりに、「これからは男も子育てだ」というわけで受験したことがある。当時は保育士ではなくて、保母って呼ばれていた。受験資格は高卒以上で、一次試験は学科なんだけど、児童福祉法やら看護学やら13科目もあった。短大や大学の専門学部出身者ならともかく、とてもじゃないけどシロートには無理です。というわけで、保母試験(当時)のための講習会ってのに3ケ月通いました。ちなみに、いまはどうだか知らないけれど、当時の保母試験は、各自治体ごとに開かれていて、たまたま一緒に受験する友人が神奈川県だったので、そこで受験することになった。というわけで、講習会は京浜女子大が会場だった。講師の先生はそうそうたるメンバーで、東大の教授なんかもいたような・・・。
で、結果はと言えば、13科目は一発で受かりました。これ、自慢です。でも、神奈川県はお絵描きがあって、テーマは県鳥のカモメだったと思う。これはヤワです。そもそも絵は苦手なんだから、見事に落ちました。でもって、3年間学科試験の合格は有効なので、その間に絵の試験に受かればいいんだけど、さすがにそんな気力はないので退散したのだった。
当時は、受験生はほとんどが女性で、男はわずか数十名。そんな時代に比べたら、保育に携わる男が増えているのはけっして悪いことではない。だからこそ、今回の事件は許せんのですね。
それはともかく、当時もそうだったけど、保育士というのは低賃金なんですね。だから、意欲があっても生活のことを考えるとそうそうは続かない。保育士の資格を持っていても、現場復帰がしずらいのは当たり前なんだね。だから、準保育士なんてことよりも、保育士の労働環境を改善することから始めるのが先決なんです。準保育士なんて制度ができたら、さらに低賃金の職場になりますよ。
ていうか、産業競争力会議は、そこを狙ってるんじゃないのかねえ。安い労働力の供給源としての準保育士っていうおそれは充分にある。とにかく、労働力を経営におけるコストとしか考えていませんから、産業競争力会議のお歴々は。コストダウンのためなら、なんだってやるからね。
少子化だ、高齢化だって喚くくせに、子育ても、介護の現場も、そこで働くひとたちの暮らしってのにはとんと無頓着で、まるでボランティア感覚で働くことが「美しい」ことであるかのような身勝手な押しつけが横行してますからね。福祉ってのは、しょせんは「ほどこし」なんでしょうね、日本では。
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