マスメディアの粉飾報道とそれを見抜く市民の眼力。
霙まじりの雨が降る寒い朝・・・いまひとつ風邪がぬけきらない。ちょいと鼻づまり気味で鬱陶しいったらありゃしない。
さて、陸山会事件の公判が始まって、昨日は4億円を融資した銀行の元支店長が証言に立った。で、問題はその証言内容の報道の仕方だ。朝日朝刊の記事を全文引用します。
(ここより引用)
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件の第2回公判が8日、東京地裁であった。小沢氏に2004年10月、4億円を融資した銀行元支店長が証言に立ち、元秘書の衆院議員・石川知裕被告(37)=政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で起訴=が4億円の定期預金を担保に同額の融資を申し込んだ様子を説明。「陸山会が資金を持っていることを詮索されたくないのだと思った」と当時の印象を語った。
検察、弁護側双方が証人申請した元支店長は、石川議員が土地購入前日の同月28日午前遅くに衆院内の同銀行支店を訪問したと証言。「不動産担保でなく預金担保であることや、融資先が小沢氏なのに、陸山会に転貸すること」などに疑問を感じたと説明した。
(引用終わり)
社会面の片隅にコッソリと掲載された記事だけど、いかがでありましょう。これだけ読むと、ふむ、やっぱりあやしい、元支店長も疑っていたのか、と思ったとしても不思議はない。でも、実はその前に公判を傍聴していた江川紹子さんがツイートで、
「法廷での支店長は、検察官の思いを代弁することもなく、淡々と事実を述べていた。さらに「書類が整えば、不動産代金の支払いまでに融資が実行できると思った」と、石川議員の主張を一部裏付ける証言もした。特にドラマもなく、粛々と審理は進んだのでした」
とつぶやいていたので、今朝の記事を読んだ時は妙な違和感があった。同じようなニュアンスのニュースは、昨夜のNHKでも流れたようで、「おかしいな」と感じた方がいたんじゃないかと思っていたら、やっぱりいらっしゃいました。で、その方は、江川さんに「偏向報道では?」と問いかけていたのだが、その質問への江川さんのツイートは、
「確かに一度「詮索されたくないと思った」という発言はしていますが、「融資案件の考慮すべきでない点について立ち入って聞いたりしない」と繰り返し述べていて、銀行側としては事情をむしろ詮索しない立場を強調していると感じました 」
というもの。つまり、個人の心象風景を証言したにすぎないってことなんじゃないのかなあ。ま、証言の一部をつまんで報道することの危うさの典型でありましょう。
おそらく、これからもこうした粉飾報道が続いていくのだろうが、小沢狂想曲ってのは垂れ流される粉飾報道を見抜く眼力が問われていると同時に、そうした眼力を養う絶好の機会でもあるのだとつくづく思う寒い朝なのであった。
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