「TPP=貿易の自由化」なんて単純な図式はないでしょう。
JR東日本の新幹線(東北、上越、長野、山形、秋田)が、全線不通になっていいる。なんでも、運行システムがダウンしたのだとか。15日にも架線が切れたり、信号機の故障で運転見合わせがあったばりで、ま、危機管理がなってないってことなんでしょうね。ニュースでは復旧の見通しは立っていないってことだから、大混乱の1日になりそうだ。
阿久根市長選で暴走特急・竹原君が落選。独善的な手法が結局はあだになったってことなんだろうけど、当選した新顔の西平君はまだ37歳の若さってんだから、公務員改革に後ろ向きな市議や市の職員に取り込まれなければいいのだけれど。
で、こちらは、霞ヶ関にすっかり取り込まれちゃったスッカラ菅君。どうやら改造後初の内閣支持率が出たようだが、期待したほど上がるわけもなく、どこも微増。ご祝儀相場としてもかなり低いのは当たり前か。阿久根市では独善的な手法が嫌われたわけだけど、スッカラ菅君のやっていることって、地方と国というスケールの違いはあるものの、独善という意味では暴走列車・竹原君にちょいと共通しているような気がする。
なんといっても、消費税増税だ、TPP参加だ、果ては社会保障と税の一体改革だと行き当たりばったりに口走るその内容が、まったく党内論議を無視した、おそらく官僚主導の作文ということが問題なのだ。専決処分連発した竹原君ほど露骨じゃないだけで、その動きは十分に独善的というより独裁的だ。党大会で議員の発言を封じ込んだのも、その現われのひとつ。節度をなくした似非左翼にありがちな末路なんだけど、スッカラ菅君のサバ目を見ているだけでも不愉快になってくる。どうやら、理念がないくせに権力亡者という、とても危険な存在になってしまったようだ。アメリカのポチになったその様は、さすがの自民党もビックリしてるんじゃなかろうか。
今回の朝日新聞の世論調査でちょいと気になることがあった。それは、TPPに関しての質問だ。記事によれば、「農産物の関税を引き下げ、貿易の自由化を一層進めることの賛否をきいたところ」云々とあり、その結果、賛成41%、反対39%となったんだとか。これってTPP関連の質問として、あまりにもは単純化しすぎではなかろうか。この質問だと、TPPの対象は農産物だけと読めるけど、実際はほぼ例外なくすべての分野にわたって関税を撤廃するもので、金融や保険も含まれる。つまり、ゆうちょ・かんぽの350兆円を狙ったアメリカの要望だった郵政民営化と同じようなことが、もっとスケールアップして起こってくる可能性があるということ。
それはともかく、TPPが「農産物の関税を引き下げ、貿易の自由化を一層進める」という朝日の質問の主旨は、つまりは「消費税増税&TPP参加」大キャンペーンの一貫なんだろうね。だいたい、「自由化」って言葉が出てきた時ってのは怪しいと相場が決まっている。「規制緩和」と同じだね。その昔、社会の授業で使っていた世界地図に、「自由主義圏」「共産主義圏」って書かれていたのと同じで、「自由」っていう言葉をとても恣意的に使っている。世界地図に書かれた「自由主義圏」ってのは、「自由経済」ってことであって思想や表現の自由を表わしたものではない。それを「共産主義」という言葉と対比させることで、あたかも「自由主義圏=民主主義」であるかのような刷り込みを図ったのではないかとくろねこは思っている。
ちょっと話が飛躍しちまったけど、「TPP=貿易の自由化」なんて単純な図式でないことは確かなんであって、その意味ではフジTVの番組で小沢君が「その前にセーフティーネットを構築しなくてはいけない」といった主旨のことを話していたのは正しい。セーフティーネットのことなんかまったく無視したところで「TPP参加」(これ自体がアメリカの強要なんだけどね)が論じられているのが現実なんだということをジックリ噛み締める必要があるのではなかろうか。なぜなら、セーフティーネットを構築するってことは、サブプライムローンをきっかけとする金融ショックの痛手から抜け出すため、TPPで起死回生を狙うアメリカの言いなりにはならないよって宣言するようなものなんだから、それなりの覚悟が必要ってこと・・・スッカラ菅にはできないだろうなあ。
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