いやあ、天皇賞は一番危惧していた展開で、エイシンヒカリのハナをクラレントが叩こうとは。スタート直後にくろねこの天皇賞は儚くも散ったのであった。
そんでもって、ハロウィンで渋谷が狂乱と化す中、ペテン総理は日中韓首脳会談とやらでソウルへ。とは言え、三者三様に衣の下に鎧をチラつかせての会談だから、実りあるものになるはずもない。ペテン総理は相も変わらず「特定の過去にばかり焦点を当てる姿勢は生産的ではない」なんてこと口走ってるんだから、中国も韓国も「空気読めないやっちゃ」と呆れてますよ、きっと。いじめた側がまずは真摯に謝罪しなくちゃいけないのに、いつまでたっても「昔のことは水に流してさあ」なんてやってるんだから、まとまる話もまとまるわけがない。
・日中韓「歴史直視」で一致 3年半ぶり首脳会談 なお隔たり
しかも、ペテン総理のお稚児さんどもがこれまた狂ったように右旋回の発言を繰り出して、ペテン総理の代弁してますからね。なかでも勇ましいのが愛国婦人会の稲田君で、週刊誌のインタビューで「男子も女子も自衛隊に体験入学すべき」って進軍ラッパ吹いてます。こやつの言う体験入学ってのは、つまりは徴兵制の代替案ってことを意味してるんだね。経済的徴兵なんてのも当然視野に入っているわけで、任期制自衛官ってことで企業の新入社員の研修を画策しているのも根っこは同じです。
こういう子分どもの発言を中国や韓国はちゃんとチェックしているんだから、ペテン総理が「日中韓協力の前向きな歴史を紡いでいきたい」なんて何万篇言おうと、この男が権力の座に居座っている限りは中国も韓国も素直に頷いてはくれません。もっとも、中国、韓国だってエラソーなこと言えた義理ではないんだけどね。人の振り見てわが振り直せ、と中国、韓国には言っておこう。
・ポスト安倍・稲田朋美が「男子も女子も自衛隊に体験入学すべき」! 過去には「国に命をかける者だけに選挙権」発言も
それはともかく、ペテン総理の専制政治を苦々しく思っている自民党の重鎮だっていないわけじゃない。元自民党幹事長の古賀誠君が朝日新聞のインタビューに「権力の怖さを一番実感した時? それは今です。憲法さえも無視してしまうんですから。それに対してメディアも第一、怒っていないじゃない」と噛み付いてます。ペテン総理だけでなく、メディアにも一発かましてるところに意味があるんだね。小沢一郎狂想曲では旗振り役のひとりだった毎日新聞のチョビひげ・岸井君もこのところメディアの責任をよく口にするけど、この視点ってとても大事なことだ。ここは試験に出ますよ、ってくらい大事だ。ペテン総理をここまで増長させたのはメディアの提灯記事の影響も大きいし、なんと言っても幹部連中が寿司友ですからね。
というわけで、古賀誠君のインタビューをちょいと長いけど引用します。是非ともご一読を。
「権力の怖さを一番実感した時?それは今」 古賀誠さん
2015年11月1日朝日新聞
http://www.asahi.com/articles/ASHBX569XHBXUCVL01F.html
■職業としての政治 マックス・ヴェーバー〈著〉
(思い出す本 忘れない本 元自民党幹事長・古賀誠さん)
衆議院議員に初当選した時、田中六助先生(元自民党幹事長)の私邸に呼んでいただき、マックス・ヴェーバーの『職業としての政治』を手渡されました。「今まで勉強を全然やっていないだろうから、政治家の基本だけは勉強しなきゃだめだよ。これを何十回でもいいから読みなさい」と言って。先生の本はぼろぼろで、いっぱい線が引かれていた。最初は「ずいぶん古いものを」と思った。でも、約束したからと、借りた本をお返しして自分でも買いました。それから、もう何百回と読みました。一番、読んでいて記憶に残るのはトイレなのでトイレにも1冊置いています(笑)。
節目節目で、読むたびに印象に残るところの違う本。今でも全部を理解できたとは思いません。でも、頭のどこかに引っかかって瞬時の判断を助けてきてくれた。
政治とは何か。権力とは何か。政治を行うことは、悪魔の力と手を結ぶようなことだと書かれています。だからこそ、政治家は禁欲し、規範を持たなければいけないとも。情熱は必要だけど「事物と人間に対して距離を置いて見る」ことのできる判断力も必要だと。胸は燃えていても、頭は冷めていないといけないということを教えてもらいました。
僕がこの本から自分のものにできたことがあるとすれば“辛抱と我慢”ですね。それが一番役にたったのは、党務についた時。政党政治である以上、省庁組織に守られている大臣よりも、党務の方が権力に影響を及ぼすことができる。でも、権力というものは、それはね、怖いことですよ。我慢も辛抱もやめて、決めてしまえば決まる、という場面はいくらでもあるわけですから。でも、ヴェーバーの言うように激情だけではだめだ、冷めた頭脳でいなければいけない、と自分を戒めたことが何度もあります。
森喜朗首相(当時)が総裁選を前倒しし、各県連1票の地方票を5票にしたいとおっしゃったことがあった。僕は、誰が総理になるべきなのか、今の時代に誰が求められているのかは国会に選ばれた議員一人一人が命がけで、自分の責任で考えぬくべきだと思っていた。だから、どこかでギリギリの線を守りたいと戦い、3票に。この時に地方票の重みが増したことで、ポピュリズム的な、一般大衆受けする人が総裁になりやすくなった。今も忸怩(じくじ)たる思いがあります。そういう苦しい交渉の支えにもなりました。
権力の怖さを一番実感した時? それは今です。憲法さえも無視してしまうんですから。それに対してメディアも第一、怒っていないじゃない。
安保法制も、党内議論が浅くて深掘りできていないから、国民のみなさんがおわかりにならないのも当たり前です。大事な法律ほど、党内議論で「ここが変わる、ここは変えちゃいけない」とみなさんがわかるような議論をして、理解を深めていくのが責任なのに。政府と党はチェックとバランスの関係を常に保っていないといけない。それができなければ、一方的な権力の行使になってしまう。そうなってはいないという人がいますけど、今、なっていますよね。
今とは比較もしたくないけど、僕は、国対委員長の時は国会運営を、党幹事長の時は党務を、政府・官邸がどう言おうとすべて自分がやるんだ、という自覚と責任と覚悟を持っていました。時間が必要な法案は、提出が一国会遅れても議論すべきだと言えた。それが伝統だったし、政党政治の使命だと教えられてきた。
野党も、職業としての政治ということを考えている人がいない。権力の使い方も知らないんじゃないの? それじゃいい政治はできない。自民党は倒せませんよ。
今、若い人たちの学歴はみんな立派です。でも、学歴だけある人を集めればいい政治ができるか。冗談言っちゃいけない。学歴は過去の栄光ですよ。学歴と学問は違う。政治家は日々の学問が大事です。こうした本を読んでおけば、判断に幅が出るし、一歩立ち止まることもできるようになるはずです。この本を読んでいる人をぜひ、総裁にしたいね。(脇圭平訳、岩波文庫・518円)
構成・守真弓
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