裁判員裁判

2011年10月 6日 (木)

判決は裁判官の腹ひとつ・・・嫌な世の中になったものだ。

 国会が閉会したと同時に、政治家先生の海外視察とやらが目白押し。記者の意地悪な質問に色めき立っちゃう議員もいたりして、何かやましいところでもあるんでしょうか、と勘ぐりたくもなろうというものだ。政治家にとっては海外視察は必須のフィールドワークではあるのだけれど、それにしても一人当たりの費用ってのはちょいとかかり過ぎなんじゃないのかしらん。たとえば、ウクライナのチェルノブイリ原発などを視察する議員団ご一行の一人当たりの経費は140万円なんだとか。ご大層な視察ですこと。震災復興のために議員歳費を50万円カットしていたのを期限切れをいいことにこっそり復活させたんだから、せめてその50万円分は自腹きって視察経費にまわすくらいの殊勝な議員はいないものなのかねえ。

 さて、今日はイチロー君の初公判。陸山会事件の裁判長と同じく、こちらの裁判官もとかくの噂がおありなようで、来年の判決までは予断を許さない状況か。確たる証拠なんかなくても証言などの状況証拠があれば有罪にしてもOK、という陸山会事件のスットコドッコイ判決を見ていると、ようするに裁判官の腹づもりひとつで判決はどうにでもなるってことなんだね。だから、イチロー君の裁判もどう転ぶかわかったもんじゃない。

 陸山会事件の判決については、朝日新聞が3人の弁護士の意見を載せて検証していたそうだが、その中で日テレの「真相報道バンキシャ」のコメンテーターでもある元東京地検特捜部長の河上君が、「背景には、裁判員制度の定着がある。素人の裁判員が、膨大な調書をすべて読むことはできない。重要な証拠を見て、大きく認定する方向でいいだろう」(「朝日新聞読後雑記帳」参照)てなことを抜かしている。いやはや、おっとろしいご意見だこと。つまり、トーシローの裁判員には調書を読み解く力なんかないから、大雑把なところで証拠見せて判断させりゃいいんだよ、ってことですか。これはもう、裁判じゃないね。

 同じくヤメ検で、佐藤栄佐久元福島県知事の弁護人でもあり、終始小沢一郎に批判的だった宗像君ですら、「この事件に関しては、検察が作り上げたまったくの冤罪だと考えている」と週刊朝日誌上で陸山会事件について語っているが、これが真っ当な意見というものだろう。それにしても、リベラルとされているジャーナリストや評論家、学者の中にも、こと小沢一郎のこととなるとさわらぬ神に祟りなしってことで、多くを語ろうとしない人々がいるのは不思議なことだ。せめて、今回のスットコドッコイ判決に関しては異を唱えるかと思ったら、これにも沈黙を守っているのは「ずるいなあ」とつくづく思う今日この頃であった。

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2010年11月26日 (金)

裁判長が記者会見しない不思議。

 このところどうも右膝の状態が芳しくない。ま、芳しくないといっても、時折ズキンと痛みが走る程度で、歩くのにはなんの問題もない。ほんの数秒で痛みは消えてしまうのだが、そのズキンがなんとも不快なのだ。高校時代に超満員の都電から飛び降りた時に膝を痛めたのが、この歳になって神経痛っぽく出てきてるのだろう。ようするに、老化現象ってことっすね。いやはや。

 さて、昨日は裁判員裁判で2度目の死刑判決。今回は被告が少年ということで、いろいろ取り沙汰されている。朝日新聞の解説は、「市民の健全な良識を量刑に反映することと、少年の保護育成をうたう少年法の理念をどう両立させるか。専門家にまかせずに、市民一人ひとりが考えていく課題だ」なんて偉そうに論じている。しかし、死刑判決が出るかもしれない裁判に「市民の健全な良識」を持ち込むことの是非というのを、もう一度考えるべきなのではなかろうか。「市民の良識」にたよるってのは、司法関係者の怠慢であり、責任逃れ以外の何物でもないと思うけどね。

 昨日の記者会見では、裁判員が2人出席し、ひとりの方は顔出しまでして自らの責任をまっとうしているというのに、裁判官は影に隠れたまま顔も出さない。本来なら、裁判官こそが記者会見を開いて堂々と説明すべきものなのだ。思えば、検察も警察もおよそ司法関係者ってのは自らの説明責任を果たすことはない。たとえば、冤罪となった事件を裁いた裁判官、起訴した検察官、そして逮捕した警察官が、その後記者会見を開いたなんて話は聞いたことがない。つまり、裁判員裁判ってのは、裁判官、検察官、警察官が自らの説明責任を「市民」に押しつけているという野蛮な制度なのではなかろうか。

 今回の裁判員の勇気ある会見に引き換え、情けないのが第5検察審査会の審査員だ。ひとを裁くことの重さを知ることも司法への市民参加の意義のひとつだと思うのだが、ならば小沢君の強制起訴に関わった検察審査員は補助した弁護士共々記者会見を開くべきじゃないのかねえ。強制起訴を決議したとされるお若い方のご尊顔を是非とも拝してみたいと思う今日この頃なのだ。

 ところで、このところの国会では罵詈雑言が飛び交い、なにやらののしり合いが続いている。たとえば、丸川某のようなヒステリックな物言いは、そのへんの男女の痴話喧嘩さながら。なんとまあ低俗な、と思っていたら、天声人語子が国会の現状をかんがみてこんなことをつぶやいていた。

(これより引用)

「こき下ろすのに力が入り、度を超す人を散見する。言葉は魔物だから、自ら言い募るほど自ら酔っぱらう。ゆえに言葉はますます尖(とが)って、盛大になるが、言っている当人の人望は下がるばかりだ」

「清水幾太郎の名著『論文の書き方』に次の一節がある。「無闇(むやみ)に烈(はげ)しい言葉を用いると、言葉が相手の心の内部へ入り込む前に爆発してしまう。言葉は相手の心の内部へ静かに入って、入ってから爆発を遂げた方がよいのである」。言葉は慎(つつ)ましいものにかぎると、この碩学(せきがく)は言う」

(引用終り)

 お説ごもっとも、と言いたいのだが、これこそ「自分のことは棚に上げて」の典型。「政治とカネ」にかこつけて、やれ説明責任だの、やれ辞職しろだの、さらには「民主党の代表と首相になりそこねたのは、国民にとっても小沢氏にとっても幸いだった」と嫌味を言ってみたり、口汚く小沢君を罵ってきたのはどこのどなたでありましょうや。おかげで、人望が下がるどころか、ブログにも劣る(この言葉自体失礼なのでありますが)という評判の体たらく。言葉は慎ましい、という碩学に倣うのはまずは天声人語子なのではありませんかねえ。

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2010年11月17日 (水)

検察官適格審査会初会合と裁判員裁判で死刑判決。

 昨日郵便局に行ったら、なんとアメリカへの航空便が今日(17日)からしばらく送れないという告知が。ほんまかいなと思って窓口で尋ねると、なんでもテロ対策強化のためアメリカへの航空便に重量制限が設けられ、16オンス(453kg)以上の荷物は送れなくなったのだとか。453kgっていうと、ちょっとした単行本程の重さなのだが、これからのクリスマスシーズン、アメリカにギフトを送りたいなんてひとには迷惑なこったろうね。それにしても、これってけっこう大事なお知らせだと思うのだけど、なんでまたこっそり告知してるんだろう。せめて、新聞広告出すとかしないのかなあ。それとも、こちらが見逃したのか・・・。

 昨日はもうひとつ重大な出来事があった。検察官適格審査会の初会合だ。「大阪地検特捜部の証拠改ざん・隠ぺい事件にかかわった検察官について、職権による審査を開始することも含め、今後の対応を検討していくことで一致した」ということだが、ようやくこの法律が機能しだしたか。郵便不正事件における証拠改竄も、またひとつ新しい展開が見えてくるかもしれない。

 そしてもうひとつ、裁判員裁判による初の死刑判決が下された。殺害の動機や方法など、かなり身勝手で残虐なものだったからこの判決は予想がついた。でもねえ、裁判長が被告に控訴をすすめるってのはどうなんだろう。死刑に反対した裁判員の心情を慮ってのことなのだろうか。上級審に送られれば裁判官裁判になるから、そこでの結論を最終的なものとして裁判員の心の負担を軽減しようとしたという見方もあるけど、それなら多数決を止めて全員一致にすればいいことだと思うけどな。被告の気持ちも推し量ったうえでの発言とはとても思えないし、それって被告にとって判決以上に残酷なんじゃないのってちょっと頭をよぎってしまった。 

 朝日の社説は、「仲間が下した重い決断」なんて見出しつけちゃって、極めて情緒的な論を展開してるけど、検察審査会の「市民感覚」礼賛と根っこは同じことを言っている。「熱議を重ねて到達した結論は、表面をなでただけの感想やしたり顔の論評と違って、圧倒的な存在感をもって迫ってくる」って、何が言いたいんだか。これこそ、したり顔の論評じゃないの。この裁判を傍聴してきた司法担当記者の昨日夕刊の署名原稿の方が、よっぽど
気が利いてたよ。重い判決を下した裁判員に、「仲間」だなんて安易に呼びかけちゃうその軽薄さに虫唾が走った霧雨の朝でした。

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