初めてフクイチに足を踏み入れることを許可されたマスメディアは、嬉々としてその惨状を報道している。吉田所長の「もう死ぬかと思った時もあった」なんてコメントを、命がけの美談仕立てで伝えるのはさもありなんなのだが、昨夕のテレビ朝日のニュースでは、原発担当の松井君が取材の過程を説明している中で、「吉田所長はいい人なんですよ」とのたまったのには目が点になりました。これを聞いて、「あいつ、ヤクザだけど、根はいい奴なんだよ」っていうのを咄嗟に思っちまった、あっ、他意はありませんから、念の為。ま、吉田所長は確かにいい人なのかもしれない、くろねこは知らんけど、でも、フクイチの残酷な現状の取材レポートの最中に、こんな発言はないだろう。フクイチの取材から締め出された記者クラブ以外のジャーナリストが聞いたら怒るぜ、ホントに。
そもそも、「もう死ぬかと思った時もあった」とか「コントロール不能になって終わりかなと感じた」というコメントをさらっと報道しているが、ちょっと待って欲しいよね。その時期、つまり3月11日からの一週間に、小出助教などの専門家や既にフリーのジャーナリストの中からは、「メルトダウンの可能性」ってのはささやかれていたはずで、それを無視するならまだしも、「悪質なデマゴーグ」として批判までしたマスメディアもあったんだからね。そう考えれば、吉田所長の会見での記者たちとのやり取りが生ぬるいのはうなづけるってもんだ。
いま知りたいのは、そんな情緒的な現場報告ではないんだよね。何が起きたのか、何が起きているのか、これから何が起ころうとしているのか。そして、東電はどう対処したのか、どう対処していこうとしているのか・・・聞くべきことは山ほどあると思うけどね。でも、自らの報道姿勢に何の反省もないひとたちが多いからね。だから、こんな物見遊山みたいな取材ができるってわけか。
さて、TPP交渉参加表明して、おっとり刀でAPECに出かけたのはいいけれど、どうやらノダメ君はTPP交渉の加盟国会合に招待されなかったようだ。ま、もっともなことだよね。これまでみんなで協議してきたとこに、突然、参加しま~す、って乗り込んだって迷惑なだけなんだから。参加したいなら、これまでに決まったことに口出すなよ、って言われても、へへ~、ってならざるを得ないのが日本の立場なんでね。おそらく、参加できたとしても、その頃にはあらかた交渉は終わっていて、表明したのが遅かったからなんでもかんでも受け入れざるを得ませんでした、ってことになるのがオチなんじゃないかね。キッシンジャーとかアーミテージとかが緊急来日して、ノダメ君をさんざん脅していったアメリカだもの、もうTPPのルールなんてすべて決まっていて、日本はアメリカに白紙委任することしかできないんじゃないのかと推認するくろねこであった。
ところで、読売の抗争だけど、ナベツネが文書で反論したね。その中で、清武球団代表の人格批判をしている部分があるのだけど、曰く「マスコミ関係者の間では、GM就任後、さらに尊大になったと悪評が立っている」、曰く「決断力がない」、てな感じです。で、原若大将監督も不満を持っていたとたわ言を書き連ねている。自分名前まで持ち出されちゃたんだから、原にとっちゃ迷惑な話かもしれないね。これが、読売の主筆の反論文書ていうのだから、添削したくなっちまった。
こうした人格批判てのは、マスメディアのお得意なところで、相手を貶めるための常套手段でもある。そういえば、小沢バッシングもよく似た構図だ。で、驚きなのは、一部のメディアも早速のところ清武君の人格批判キャンペーンを始めていることだ。その内容も、ナベツネの言ってることとクリソツなんだよね。ひょっとして読売がリークしてたりして。日刊ゲンダイもそのひとつなんだが、読売憎しというキーワードでこの抗争劇を取り扱うと本質を見逃すよ。
おそらく、今回の「読売・仁義なき戦い」は、スポーツジャーナリズムそのもののあり方を問われることになるんじゃないのかなあ、とくろねこは思っているし、そうあって欲しいと願っている。スポーツジャーナリズムにも記者クラブみたいな既得権益集団がいるわけで、特にジャイアンツ担当なんてのは朝日の星君、曽我君、毎日の岸井君みたいなのがゴロゴロいるわけで、清武君に対して冷ややかなのは当たり前なのかもしれない。「たかが選手」なんてほざくナベツネを、これまでほっといたんだに、何をかいわんやです。。
さて、どうする、スポーツ記者諸君。スポーツの本質からはかけ離れた芸能スキャンダルまがいの取材しかしてこなかったスポーツ記者に、果たしてジャーナリストとしての矜持はあるのだろうか。で、読売では「たった一人の反乱」に対して、報道規制しているらしい、という噂もあるが(興味のある方はこちらを参照)、ま、当たらずといえども遠からずってことか。
それはともかく、昨日の日本シリーズは、緊張感溢れるいいゲームだった。読売の思惑とは別の次元で、プロ野球は確かに進化してきているし、おそらく読売はその流れに乗り損なっていると確信したのであった。
【くろねこの競馬予想】
昨年のエリザベス女王杯を快勝したスノーフェアリーが、さらにパワーアップして今年も参戦。順調ならこの馬で決まりかとも思うのだが、どうも虫刺されがあったとかで体調イマイチという観測も流れている。凱旋門賞で激走してから中4週というローテーションもちょいと気がかり。
日本の馬では、骨折明けのレーヴディソールがようやくここに間に合ったという感じだが、さすがに長期休養明け、初距離、初の古馬との対戦というハンデは、いかんともし難いところ。牝馬G1全制覇を狙うアパパネも、前走の14着はいかにも負けすぎだし、レース内容もパっとしなかったから、ひょっとしたら闘争心が萎えてきているのかもしれない。
で、思い切って馬券は穴狙いで、府中牝馬S3着で、どんな競馬にも対応できそうなフミノイマージンから。相手は、スノーフェフリー、アヴェンチュラ、ホエールキャプチャ。イタリアンレッドとレディアルバローザとのワイドも少々。
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